飲み会で話していたら、この危険さに気づいている人あまりいなかったようなので。
- Google Drive、激値下げ―1TBが月額49.9ドルからなんと月額9.99ドルに
- アマゾン ウェブ サービスがAmazon Glacierを発表
- Facebook uses 10,000 Blu-ray discs to store 'cold' data その衝撃的動画
こうやってニュースを並べると聡明な諸君は気づくだろうが、ストレージの単価がほぼ同じだ。Facebookの記事はコンシューマ向けではないが、単価はそのレベルだろうと想像される*1。
Glacierは登場した当初は「すわテープドライブまでクラウド化か?」という憶測が飛び交ったが、「テープではないらしいぞ」という憶測も登場して実際のところは分からない。GMailはバックアップにデープドライブを使っていたらしいが今でもそうなのかは分からない。
さらに、これらのニュースの間のタイミングで ソニーとパナソニック、容量1TBを狙う長期保存用の光ディスク規格「Archival Disc」というニュースが登場していたということが問題だ。
データセンターを走らせるためのコストは大きく分けて初期コストとランニングコストに分けられる。初期コストはまあバルクで買い叩けばどうにでもなるとして、ランニングコストはエネルギーを消費しているためどうしてもなくならない。ハードディスクは、中でスピンドルを止めていたとしてもメモリ、CPU、電源、空調などを使っているとどうしてもコスト、というかエネルギーを消費する。だから、それを止めるコールドストレージは相当なレベルでコストを下げられる(定量的な議論はあえてしないできないできたらすごい)。
ところが、それを不要にするのがコールドストレージだ。手段としては単純にコンピュータの電源を落とす方法と、長期保存が可能な光学ドライブを利用する方法がある(もちろんテープも)。この中で光学ドライブを大手がこぞって利用し始めたということは…あのJames Hamilton御大までもが光学ドライブについて言及したということは…
Googleだけが上記のなかで光学ドライブを使っていると明言していないが、あの価格はおそらく光学ドライブだ*2。
もちろん、光学ドライブにも技術的な問題点はあってそのまますぐに使えるというわけではない。テープほど耐久性が高くないため、ある程度の確率で時間が経つと読み出せなくなる。市販のDVDでテレビを録画していたが、数年経って見返そうとしたら見れないという経験を持っている人も多いだろう。もちろんHDDよりは寿命が長いだろうが、おそらくは定期的にデータを読みだして壊れていたら複製を増やすという操作が必要になる。そういった耐久性のデータと、複製管理のアルゴリズムの技術と、ロボットで自動化する技術のどれかひとつでも欠けているとこれは実現できない。