エンジニアのためのデータ可視化実践入門という本を読んだ。なんでも「ある意味」という言葉をつけておけば大丈夫らしいのでいっておくが、正直いって、ある意味でこの本に騙された感がある。ある意味で。まあ釣られたという言葉が正しいのだろう。
エンジニアのための データ可視化[実践]入門 ~D3.jsによるWebの可視化 (Software Design plus)
- 作者: 森藤大地,あんちべ
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2014/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本が出る前にブラウザでグラフ書くならどういうのがいいのだろうなーと思って D3.js を一度試したことがあった。たしかにグラフはカッコよく書けるのだが如何せん私はJavaScriptがさっぱり分からない。どれくらい分からないかというとJavaScriptとJavaはそれぞれv8とJVMという違う処理系の上で動いているらしいというくらいしか知らないくらいよく知らなかった。
でもグラフは描いてみたい。きっとそこにはカッコよくグラフを描くための素敵なテクニックが記載されていてこれさえ読めば私もイケてる今風JSハッカーだぜヒャッハーとなる予定だった。でも読んでみたらそうじゃなかった。釣りタイトルの対する私の指摘をまとめるとこうだ。
- エンジニアのための本ではない - エンジニアじゃなくても、いわゆる数値から意味なり主張を読み解くためのグラフというものを作成する人、それを読む人全員が前半を読むべき
- 実践と入門って結局どっちやねん - 実践的なコードも載っているしCoffeeScript入門までついている
- 「D3.js による」D3.jsじゃなくても役に立つ知識ばかり - D3.jsの解説は全くなくてもよいくらい
特に前半には、テレビや論文、新聞、プレゼン資料などに登場する馬鹿げたグラフに対する著者の恨みのようなものが随所に読み取れていて好感がもてる。もちろんそれだけじゃなくて、今まで暗黙知識だった可視化のノウハウがかなり明文化されており、いままで科学実験、論文やプレゼンでなんとなく空気を読んでグラフ作ってきた人はこれを読んで正統なグラフを描けるようになるだろう。
それにしても今後はこういった釣りタイトルはきっぱりとやめていただきたい。