ノーベル賞受賞者のDQN発言の真相

議事要旨によると、野依氏は「塾はできない子が行くためには必要だが、普通以上の子供は塾禁止にすべきだ。公教育を再生させる代わりに塾禁止とする」と再三にわたって強調。「昔できたことがなぜ今できないのか。我々は塾に行かずにやってきた。塾の商業政策に乗っているのではないか」と訴えた。

 JR東海会長の葛西敬之氏は「日本の数学のレベルは学校ではなくて、塾によって維持されている、という面もある」と反論したものの、事務局側は「公教育が再生されれば、自然と塾は競争力を失っていく。結果的になくなる」と同調、国際教養大学長の中嶋嶺雄氏も「野依座長のおっしゃったように塾禁止ぐらいの大きな提言をやらないと」と野依氏に賛同するなどひとしきりの盛り上がりを見せた。

これはアレか、マッチポンプというやつですか→議事録(PDF)

問題の部分は議事録23ページに登場する。

全体の印象として、与太を飛ばす野依氏を全員で何とか窘めている感じ。いや他の面子も大概阿呆な感じですが。労害というやつですね。で、多分事務局の人(=官僚)がどうにか成果を出すために人を集めた感じ。って感じばっかだな。いやしかし丁々発止の議論はなかなか香ばしいですよ。

○「放課後子供プラン」について
○事務局より資料に基づき「放課後子供プラン」(資料2)の説明
(白石委員)
「放課後子供プラン」は地域活性化の大きなチャンス。共働き家庭とそうでない家庭の子供が一緒に遊べる場を作っていく。また、学力がもう一歩の子供を一緒に育てる、共育ての場である。そういった壮大なテーマを書き込んでいただいきたい。主役は子供、子供がどうなるべきか、ということで骨太のメッセージを出して欲しい。
(小宮山委員)
これは、ボトムアップで提案されてきたのか、それとも、文科省と厚労省のトップダウンで計画されたものか。
(山谷総理大臣補佐官)
今まで文科省と厚労省がバラバラにやっていたものを合わせて、さらに国が交付税措置として、全国の公立小学校で、出来るようになるもの。単純に計算すれば、一校あたり500万円くらいの予算となる。
(小宮山委員)
子供の立場になると、自由な時間が足りなくなるのではないか、ということを心配している。
(山谷総理大臣補佐官)
参加は自由。遊びたい子だけが遊ぶもの。遊ぶ場がないので、校庭や体育館を開放しましょうというもの。
(小宮山委員)
子供は遊ばないと伸びない。
(野依座長)
塾をやめさせて、放課後子供プランをやらせといけない。塾は出来ない子が行くためには必要だが、普通以上の子供は塾禁止にすべきだと思う。
(葛西委員)
今は中学の受験が主体となって、学校のシステムがおかしくなったので塾が生き残っている。しかし、順番が逆で、塾禁止の前に公教育の再生が先である。
(野依座長)
公教育を再生させる代わりに塾禁止とする。それくらいのメッセージを出していいのではないか。昔できていたことが何故今できないのか。我々は塾に行かずにやってきた。大学も誰でも入れるようになっている。難しくない。塾の
商業政策に乗っているのではないか。
(葛西委員)
しかし、日本の数学のレベルは学校ではなくて、塾によって維持されている、という面もある。
(野依委員)
それは学校がやるべきこと。もちろん学校は再生させなければならないが、その代わりに塾をやめさせる。そして、遊びだけではなく、文化・文芸を勉強する。
(事務局)
公教育が再生されれば、自然と塾は競争力を失っていく。再生されれば結果的になくなる。再生が先にある。
(陰山委員)
昔と違って、体で感じて勉強することがなくなっている。それを考えると何らかの形で人工的に補ってやることが必要。塾で問題なのは、勉強のさせ方だと思っている。睡眠時間を削って勉強すれば良くなるという、やらせ方が良くないと思う。昨今、学力が落ちていると言われているが、競争社会の中で小さい頃から勉強をやって、塾も行って、それでも学力が落ちているのはどういうことか。
(野依座長)
私は文化力の低下だと思う。算数、数学だけやっていても力がつくものではない。だから放課後子供プランは是非ともやらなければならない。
(小宮山委員)
学力が落ちてきたかどうかは非常に難しい。以前とは学問分野も変わっており、明確には分からない。ただ国語力は明確に落ちたと思う。
(陰山委員)
そういうことを考えると、教育内容の問題や生活習慣の問題について、もう少し調査して、エビデンスをとった上でやっていかないと駄目だと思う。文科省の学力テストで生活習慣のアンケートも同時に行われる。そういうデータか
らエビデンスをとって考えて、改革の方向を決めて欲しいとも思う。
(小宮山委員)
ちゃんと朝ごはんを食べて、睡眠をとることが大事ということは明らか。先の学力の問題と分けて考える必要がある。
(野依委員)
我々のころは、部活もやって、その後、休憩してご飯を食べて、勉強していた。塾も行っていない。
(小野委員)
テクニックばかり教えたから学力が落ちた。それと学問の領域が広がったから。
(小宮山委員)
確実にいえることは、抑える教育は駄目。伸びる子にはどんどん難しいことをやらせることが必要。
(中嶋委員)
野依座長がおっしゃったように塾禁止ぐらいの大きい提言をやらないと。
(小野委員)
韓国では、かつて公務員の子供が塾に行く事は禁止していた。今はやめているが。
(事務局)
入試をやめて、卒業試験にすれば塾はいらなくなるかもしれない。塾禁止が先ではない。
(中嶋委員)
第3分科会ではそれをやろうと私は思っている。
(野依座長)
今の日本の大学生が世界的に見てレベルがどうかも大事なこと。世界に負けている。
(中嶋委員)
昔は英語力も高かった。外国と比べなくても、昔の日本と比べても、英語力は落ちた。これで国際社会をリードできるか。
(小宮山委員)
1つには平均的な生徒層の学力をどうやってあげていくかという問題がある。2つ目には危機管理的な問題がある、先生の身を守る必要のあるような状況をどうするのか。もう1つはリーダーをどうやって育てるのかということ。この3つは分けて考えないといけない。
(池田座長代理)
これらはすべての分科会の横串になること。縦横で上手く括ったほうが良さそう。
(野依座長)
人間の能力は違う。努力しても、できないものはできない。適性がある。
(小宮山委員)
99%の努力と1%の才能というが、その1%があるかないかは大きな違い。
(品川委員)
日本ももっとgifted の教育をやったらいい。
(小宮山委員)
それは全体でやることではないでしょう。
(小野委員)
伸びる子は伸ばす。時間のかかる子については丁寧にやる。悪平等をやめること。
(野依座長)
200 人に1 人、とてもよくできる子供がいる。それを伸ばさないといけない。才能ある子は国の宝だ。
(渡邉委員)
大学受験を卒業にもって行くとか、ゴールを変えることによって塾のあり方は大きく変わる。塾禁止はそういう形で実現できるのではないか。
(野依座長)
大学と高校の信頼関係が大事。高校が書いた成績書が信頼できないから、もう一度テストをすることをやっている。
(池田委員)
企業が変わり、大学が変われば、当然、高校、中学と下りていく。上から変える必要もあると思う。
(門川委員)
飛び級的なものもやったらいいという意見があるが、日本では、それを目指してまた塾に行くなんて事にもなり、難しい。
(野依座長)
それはやり方の問題。みんなが上昇志向を持つことは大事
(小宮山委員)
制度を変えた時にどうなるかをよくシミュレーションする必要がある。日本で大学入試をやめてどうなるか。結局勉強しなくなるだけ。教育改革は現状を良く見ながらやらないと間違える。
(陰山委員)
何でそういうことになるかというと、競争だから。競争に勝つために破りをする。何時に寝ようが、徹夜しようが合格すればいい。それでやってもテストではいい点を取るかもしれないが、本当の基礎力はついてない。
(小宮山委員)
大学もまずやることは、入試をやめることではなく、卒業をきちんと認定していくこと。企業も大学で採用するのではなく、人をきちんと見て採用して欲しい。
(野依座長)
入学試験のあり方もいろいろあると思う。これからワールドワイドな頭脳獲得合戦になった場合、全員試験する訳にいかない。アメリカの一流の大学院では試験はしていない
(小宮山委員)
している。面接で厳しい試験をしている。
(野依座長)
中国などにはエージェントがあって、そこの推薦状で学生を取っている。
(小宮山委員)
MIT などは推薦状で来た学生をしばらく見て、駄目だと思うと、そこからの推薦は受け付けないとしている。チェック機能を働かせている。
(川勝委員)
大学の場合は、外国から来る時には、BA がないと入れない。BA、MA、PhD はグローバルスタンダード。どんなにいい学校を出ていても、世界では評価されないが、PhD は世界標準。出口のところで高いものをあげれば、人は集まる。この辺りは、第3分科会を中心にやること。
第1・第2分科会は小学校中学校のことをやっている。ここでは地域が大事。地に着いたカリキュラムをやらないといけないと思う。これは文科省で十分にできるとは思えない。また、できる子を伸ばす必要がある。そういう事が出来るのは葛西さんの学校のようなところだろう。テレビを禁止し、有害情報はシャットアウトし、土日も帰さない。大家族、擬似家族のようなものになっている。こういうことは私立でしかできない、ではなく公立でも真似るべきだ。ある特定の期間だけでもやると必ず、家族にフィードバックされる。日本は植民地に学校を作って、教育した。それをやると躾ができた。学校がもたらす家族へのフィードバックというものもある。学校コミュニティーを大家族のように使うこともいいのでは。
(野依座長)
先ほど陰山委員がテレビの弊害を言っておられたが、各家庭とも所有するテレビを限る、そして、チャンネルは親がコントロールするとすれば、有害番組は見なくなる。
(中嶋委員)
テレビの悪影響は本当に考えたほうがいい。
(池田座長代理)
諸外国では選別できるシステムがある。本日は大変熱心に議論いただいて感謝している。この議論をできるだけ文書化して、上手く纏めたいと思う。大変ありがとうございました。明日もよろしくお願い致します。
以上