赤字国債は借金ではない

と考えてみるのはどうだろう。ま、借金だと考えてもそれほど問題でないことは例えで分かるのだが、日本を仮定に例えるのではなく企業に例えるのがよりよいアプローチなのではないかと、また例の思い付き与太ですよ。

つまり、赤字国債はどちらかというと株に似た性質を持っており、同じ発行額という言葉を使うなら時価総額と比較すべきなのではないかということ(国債も額面ではなく市場価格を出すべきかもしれないが)。というわけで、有名企業と日本株式会社におけるバランスを比較してみた。

(兆円) トヨタ NTT M$ 日本
時価総額 25.4 9.2 33.4 国債総額 668
売上 21.0 10.7 5.2 税収 45.9
資産 28.7 18.9 7.5 GNP 520

こうやって見てみれば、そんなに悪くないんじゃないかという気がしてくるから不思議だ。この他にも特別会計なるものが225兆円も組み込まれるなら、日本の時価総額と決算規模は大体同じオーダになるから、トヨタやNTTとは同程度に健康だと言える。

また、在外資産や国有財産なんかも考えると、200兆円以上あるみたいだから余裕じゃないですか。

つまり、日本は時価総額668兆円の超絶大企業なのであって、赤字国債(=株式発行)を減らすということは日本という企業の価値を減じることになるし、自己資金で運営をするのは愚かなことだ(カーネギーだか誰かが既に失敗しているはず)。

もうひとつ問題がある。仮にこれを借金だと考えることにして、668兆円という額を何割か削減することに成功した場合を想像してみよう。日本は超優良会計の国になってしまい、経済の面で世界的により大きな信頼を獲得することに成功するだろう。そして日本の株と円が更に買われ、世界中の投資資金が日本に流入してくる。日本の物価は世界ダントツになってしまい輸出産業は全滅、ソニーもトヨタもNECも死亡、家計もメチャメチャ、日本経済は大・混・乱。