- 作者: 難波江和英,内田樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/11/13
- メディア: 新書
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この本に、フーコーに関する章がある。それによれば、権力というのは、ちょっとした刑務所のようなもので、実は看守がなくてもちゃんと稼動するようにできてるだのなんだの。つまり囚人がきちんと監視されてる(何かあれば取り押えられて罰せられる)ことが大切なのではなくて、「見張られていると囚人たちが思っている」ことが大切なのだというのだ。そして今の世界の権力機構は全てそうなっているのだと喝破する。まあ確かにそうなのかもしんないけど、ゲーム理論と複雑系、マルチエージェントの枠組みでそれくらいは語られそうだよなぁと思った。そう、文系哲学者の語りそうなことだとも。
ところどころで、データ構造というかアルゴリズムというか、そういうことがしばしば頭をよぎるものだから、なんだかなぁと思ったのでした。世界はどうなってるか、ということについてコンピュータ(科学者)が全て把握してしまう日も近いんじゃないのか。そして全ての官僚・法曹・営業・経理はコンピュータ技術者の足下にひれ伏す時代がやって来るのだガハハハハ。