ステレオタイプな話だけど、「あなたの子供を戦場に送りたくはないでしょう?」という説得の仕方は一面的でしかない。自分の命にそれほど価値があると思っている人間がいたら、そいつこそ地獄の海兵隊で性根を叩き直してやりたいところだ。もとい、十代の繊細な男の子は、自分の命にそれほど価値があるとは思っていない。
はてな村で自意識を露出させて何かに耽っているモテない男の子がいたら、世が世なら彼らは喜んで戦場に向かっただろう。失う物がない彼らにとって、死ぬ理由があって仲間がいる場所は素晴らしい場所だ。徴兵がない時代、戦場で生き残ることは名誉の証であり、戦場を経験しない人間は市民権を得られない時代さえあった。移民の国アメリカでは、まだそういった思想が残っている。軍人は本当は偉いのだ。
今の時代、命が重すぎて、私はときどきその重みに押し潰されそうになる。本当に重いのは命ではなくて、他人や死に対する恐怖だと思うのだが、それが一般的なのかどうかはよくわからない。
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武士道といふは、死ぬ事と見付けたり。