経済学ってナニ

(前略)しかし今でも多くの経済学者は、この種の理論に懐疑的だ。それはこういう理論が正しくないからではなく、正しいと困るからだ。消費者の主観的均衡が成立するには、効用関数が連続で凸集合であるといった条件が不可欠である。価値関数のように非凸だと、均衡がひとつに決まらず、経済学の体系全体が崩れてしまう。

これは実証科学では当たり前のことだ。理論が現実にあわないときは、理論を現実にあわせるべきであって、その逆ではない。行動経済学は、今のところは経済システム全体を説明する厳密な理論にはなっていないが、著者もいうように「厳密に間違っているよりは大ざっぱに正しいほうが役に立つ」。一方では「経済物理学」のように、市場データを正確にシミュレートする理論も生まれているから、そのうち現在の均衡理論とはまったく違う「21世紀の経済学」が生まれるかもしれない。

…経済学の体系って何よ? いや勉強なんてしたこともないけどさ、ブラック・ショールズ方程式とかでつか? というか、金融工学とか経済物理学ってまだスタンダードじゃないんだ? 乱立してて確立されないってんなら分かるけど、そのどれもが従来の概念より優れてる気がするんだけどなぁ(従来の概念ってやつを知らないけど)。経済学のどこがすごいかっていうと数字それ自体じゃなくて、功利的な人間の判断とか行動を記述できてるとこがすごいのであって、ミクロ現象とマクロ現象を数式で結びつけるってだけなら物理学に敵うわけないじゃん。

やっぱ経済学部の入試で数学CとIIIを課すべきですよね。