kitsch

ミラン・クンデラの小説では「俗悪なもの」のルビに「キッチュ」と振ってあったので、なんとなく心に留めてたんだけど、今日ほどそれを体感することはなかった。バスから、駅から、電車から、道すがら、そこかしこにkitschが満ちていて、表面にヘドロのようなものが粘り着いているように見えて、どうにも不快で耐えられず、目を瞑るしかなかった。そんなとき、「心を殺せ」とか「全てを戯画化してしまえ」とか自己暗示をかけてやり過ごしてきた。
結局、パロディとかコメディというオブラートに包まないと、世界を隈なく看ることはできないんだなぁと痛感。