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転職エージェントについて

さて先日いくつかの転職エージェントと接触したので、その経緯や結末をうまくボカしつつここに記しておくことにする。日曜の午後のヒマつぶしになると幸いである。

2015-11-08 19.07.55

狭い業界、知り合いの方が多いのだがなぜ転職エージェントにアクセスしてみようと思ったかというと、実は世間は広くて、私の知らない面白いことをやっている会社が沢山あるのではないかとふと不安に駆られたからだ。このままでは大海を知るためには、結局アメリカや欧州へ渡るしかなくなってしまう。このままでは拙い。酔っていたせいでもある。ある日思い立って、Gmailを "Opportunities" とかそういうので検索しまくって、適当にメールをいくつかのエージェントに送った。夜中に酔った勢いで書いたものだから、短く簡潔で素晴らしいメールになった。

Thank you for reaching out to me. I'm getting more interested now, could you give me more detailed job descriptions and the company goal?
Thanks,

以下のことは時系列に起きていたわけではなく、並列に起きていたのだけど、本当のことをいうと実はフィクションです。全部ウソなので真に受けないでね。

I社 S君

メールに返事があって、電話。電話口ですぐに名前が出てきたのはA社だが、そこは個人的なブラックリストであったので無条件でお断りした。次にF社を持ってきたがそちらも私も興味のあるところではないし、エンジニアとしての私の能力が伸びることも生きることもなさそうな職場であったのでお断りした。S君は流暢な英語で、会話している分には不快なことはまったくなかったし、何より話が速かった。が、よい案件がなかったので自然消滅。

後日そのF社に尊敬する某S氏が転職していったのを見て、もうちょっと話を聞いておけばよかったと若干の後悔はあるが、やっぱりあそこにいっても合わなそうな気がするので関係ないか。

P社 A君

こちらもメールに返事があって、いちど電話してからオフィスを訪問した。スーツ族が行き交う都心の雑居ビルであった。まずは自己紹介を受け、彼がいかに業界で能力がありすばらしいかを聞かされる。そしてセールストークだ。日本人で英語慣れしていない人間を相手にしてきたのだろうか、ゆっくりと諭すように話してくる。曰く転職活動をエージェントを介さずにやってもよいが、そのときの問題点がひとつある。入社してからの良好な関係を維持するために、サラリーの交渉のときに強く出れないことが問題で、エージェントを間に挟めば我々が強気でやるから、あなたのためになるというものだ。だから、あなたは我々の大船に是非とも乗っかってほしい。( ´_ゝ`)フーン。

さて次はインタビューである。わたしのレジュメに赤を入れながら、どんな仕事をしてきて、どんなプログラミング言語ツールを扱うことができるかを聞かれる。ここで私は分散システムが得意だというが、これを理解するエージェントはまあほぼ0なわけだが、彼もその例にもれなかった。そのときはフンフンと彼も聞き入ってるフリをしたのだが…そして希望年収、現在の年収、生年月日を尋ねてくる。おいおいそんなこと聞いてどうすんだよ、まあ機密でもないから教えるけどさ、ふつう聞かないよね? …卓上をみると、わたしが自分で作ったレジュメをその会社のMSワードフォーマットにそのままコピペしたものを彼は印刷して持っていた。そこに年収と生年月日を書き込んでいく。おいおい聞かれたから答えたが余計なことしてくれるなよ。このあたりで急速にわたしのかすかな希望は嘆息に変わっていく。

そのあといくつかの会社の名前を一枚紙と共に紹介し、どんな会社で、どういう言語を使っているかを1社あたり3分ほどで説明してくれる。仕方がないので2,3社ほど選んでよろしくというと、彼がアプライしておいてくれるようだ。

そのあと日本人の男性が交代で出てきて、彼が担当している日系の会社も同様に紹介してくれる。そちらも2社ほど選んでコンタクトを頼んでおく。

しばらくすると、そのうちの1社から「アプライしたのでここからプロセスを進めてね」という自動送信のメールが届く。そこには、エージェントわたしの年齢、当時の年収と共に、そしてA君が書いたと思われる3行ほどのクソみたいな自己紹介文が掲載されていた。曰くマネージメントもできて、以前は最新テクノロジーの開発をしていて、ミドルウェア開発に強みを持っているエッジのあるエンジニアなんだそうだ。

そのことについて、これ以上のエージェンシーのお断りと共に窘めるメールを送ったところ、「もう進行中の案件があるんだがそれはどうするんだ」的な返事のみで、特に私が怒っていることについてコメントはいただけなかった。

A社 K君

メールに返事があって、いちどオフィスを訪問したがK君は不在で、その部下と話をしたらまあまあ話がもりあがる。そしてやはり年収と生年月日を聞かれる。希望年収も伝えておく。その後K君とも電話で話す。K君も流暢な英語で話が速い。まずは1社紹介してもらい渋谷に行く。話が盛り上がって、とてもよい面接だったのでK君とその旨話す。しばらく間を置いて、わたしが転職先を決めてから、次の面接をセッティングされる。わたしはもうオファーがあって、次の会社を決めたんだよーと言うと、曰く「まあまあ、ちょっと話だけでも聞きに行ってくれないか、時間のある日を教えてくれよ」という。彼は好印象だったし、その会社は若干興味もあるところだったので話を聞きに行ってみることにした。面接自体は和やかに進んだものの、面接をした社員が手にもっていたのが、やはり彼らのフォーマットで簡略化された私のレジュメだった。しかも、そこには私の生年月日がしっかりと書かれており、非常に裏切られた気持ちになったのであった。

面接自体は、お互いを紹介し、いくつか質疑をして、もう次の会社を決めていることを伝えて和やかに終わった。そのあと渋谷で友人たちと楽しく酒を飲んだ。

4月になって、新しい職場で働いているときにここの別の人間から昼間に携帯に電話がかかってきていきなり英語でまくし立ててきたので、電話メインの考え方をした人たちだということだ。

所属不明 H君

いちど電話してみるも、A社、H社、M社など典型的なところしか出してこないのでお断り。やだなあ、いまさらそういうもんでもないでしょう。


さて日本語でアクセスしてきたエージェントもいくつかあったので、そちらも書いておこう。

S社 M氏 "未公開案件"

Linkedinにもメッセージがたまに来るが、そこに「未公開案件」と書かれては飛びつくしかない。勢いこんで訪問してみたところ、やはり日本人だった。M氏は女性であるが実際に出てきたのは別の男性であった。実際に出てきた未公開案件はまあ、未公開とはいわぬお粗末なものであった。Z社の求人でインターネットを検索したら一発で出てきた。要求されるスキルも私が持っているものに近いし給与もかなりはずむという主張であったが思っていたよりも高くなかったし、諸事情でお断りした。

T氏

さて、このようにエージェントに沢山接触しているとどうなるかというと、噂が広まるようだ。具体的にはA君にお断りのメールを送ったタイミングが怪しいのだが、急に沢山の首狩りメールが届くようになった。そんな中で目についたのが、5年ほど前にいちど会った日本人エージェントだ。「まずあなたはキャリア目標を持つべきだ。20年後にどうなっていたいかを書いて、そこから逆算して今するべきことを決めよう」といった旨のことを偉そうにドヤ顔で述べていた。当時所属していた会社の研修で同じような話を聞いていただけに退屈な説教であった。その日のうちに具体的な会社の名前が出ることはなかった。

まとめ

  • 実際にエージェントと会うと年収や生年月日を聞かれる。日本では違法ではないが、それが先方に書面で伝わる。
  • レジュメの書き方を指導されるでもなく、彼らのフォーマットに勝手に書き換えられ要約され提出される。
  • 実際に会ってみてどんなにイイ奴だとか信用できそうだとか思っても、結局はジュッパヒトカラゲの商品として大切に扱われるわけだ。そこには、テレビなどで見かけるスポーツ選手とエージェントのような信頼感はない。
  • ペットショップに並んでいる動物みたいだった自分を鑑みて最低な気分だった。

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