EURO2012, スペイン優勝

Spain 4-0 Italy
Silva(14), Alba(41), Torres(84), Mata(88)

彼らが歴史に刻んだものは彼らの名前だけじゃない。勝利のために重要なのはフィジカルや戦術、突出した才能ではなく、インテリジェンスとテクニックとチームワークであることを証明したことだ。
2008年から2010年のワールドカップと併せて、史上初のスペインの黄金時代といってよいだろう。21世紀の最初の数年までは無敵艦隊と揶揄される時代が長かったが、それは実際に完成されていないチームワークと代表での実績のなさからくる弱さからくるものであった。無敵艦隊は実際にレアル・バルセロナおよびリーガで結果を出した選手ばかりが集められているにも関わらず、チームが変わるだけでこうも別の選手になるものかと愕然としたものであった。それはとりもなおさず中世から続く封建的な風土、20世紀後半の内戦から続く代理戦争の文脈でリーガを理解すれば当然のことである。しかし、21世紀に入って内戦を知らない(知らないわけはないが体験していない)世代がフットボールの中心を担うようになり、国家が成熟するのと同様に逞しく頼もしいチームに育ってきた。
ドイツに破れた他の多くの欧州国家とは違い、今度の優勝を経済危機を乗り越える原動力としてほしい。それによってフットボールのさらなる価値を世界に示してほしい。