駅でソーラー充電携帯電話の広告を見かけた。モバイルデバイスといえばiPhoneが絶対強者になっておりNokiaも後退しながらLGとSumsungがかろうじて追いかけている。日本ではガラパゴス天国の中でキャリアが血で血を洗う骨肉の争いに決着がつきそうでつかない状況である*1。それをAndroidで打開しつついかにスマートフォンからビジネス市場を押さえつつ、コンシューマ市場に受けのよい携帯電話の方向性を模索していく中で地上デジタル・ワンセグ放送やらおサイフやらのワケワカランところへコミットしていくか、という方向性はダメでしょう。コンシューマは便利でオールインワンを望んでいるか?携帯電話に全てを託すのはよいのか?
答えはNoだ。携帯電話には、友人のリストがアドレス帳に入っていて、必要なときに彼らと電話またはe-mailで連絡が取れれば十分だ。少なくとも、私にとっては、携帯電話は腕時計のように、ごく自然に低コストで持ち歩けるだけで十分だ。必要なときだけ便利で、軽くて、邪魔にならなくて、滅多に電池を交換する必要がないことを期待している。普段は体に身につけられていて邪魔にならないのだけど、所定のタイミングで自分にアラームで通知されて、自分が気になったときに取り出して時間を知る(他人にこちらから連絡をとる)だけで十分だ。だから、無駄な機能や余計な機能、大して使わない機能や不要な機能のためにエネルギーを消費されたくない*2。
その意味で、ソーラー充電携帯はとても画期的だ。なんせ毎日充電器に挿す必要がないからね!
ソフトバンクモバイルは5月19日、2009年夏モデルとして、太陽光発電で充電できる携帯電話「SOLAR HYBRID SoftBank 936SH」(シャープ製)を発表した。
折りたたみタイプの本体表面にソーラーパネルを搭載。直射日光に約10分間かざせば、待ち受けは2時間程度、通話なら1分間程度可能だ。
ただし、毎日昼間が来ると窓際の日当りのよいところに置いて充電しなければならず、ポケットや鞄に入れたまま3日間放置しておけば電池が切れてしまう。
なので、私が期待する機能は、腕時計によくついている別の機能だ。「人間が歩く/腕を振るときの振動で発電・充電する」機能。これを実装すれば、ポケットに入れて一定時間以上持ち歩いている限り、電池が切れることは永遠にない。旅先で電池が切れてもコンビニで不細工な充電器を買ったり、ドコモショップに駆け込んで3時間ほど時間を潰すこともなくなるだろう。もちろん、コンビニのない土地には旅行しないこと!という制約もなくなる。振動をエネルギーとして利用するついでに、振動から歩数をカウントするなんて機能はいらないよ!
というわけで、そんな機能作ってくれないかなぁ。誰か特許とってたりして。特許のせいでなかなか実現しないのだとしたらいろいろ皮肉というか絶望モノだね。
ただし、ディスプレイの表示サイズやフォントの美しさは必要だ。インターフェースは美しく、使いやすくなくてはならない。なので、ひとつ乗り越えなければならないポイントは、消費電力が小さくて画質のよい液晶画面である。いや液晶じゃなくてもいいんだけど。いや、ひょっとしたら、Kindleみたいな電子ペーパーの方が適しているかもしれない。充電のためにコンセントに挿して置いていたら携帯電話を持たずに出社してしまう、なんて間抜けのために、サッサと充電不要な携帯電話を作って販売してほしい。私は、少々高くてもお金払っちゃうかもしれない*3。まったくユーザの要求にはキリがないね。
おまけ:今の携帯電話の方向性はアタマおかしいんじゃないかと思う
- 携帯電話で音楽を聴く
- iPhoneもそれをやっているから別にいいんじゃないの?と思いきやそんなことはどうでもいい。iPhoneの本質は「いつでもIP reachableなモバイルデバイス・アプリケーションプラットフォーム」なのであって、電話と音楽が同じ箱に入っていることではない。
- 携帯電話でゲームをする
- 同上。
- 携帯電話でiモードを見る
- まあ、これはOK. iモードがアプリケーションプラットフォームとして十分にオープンになれば。複雑化しすぎていて無理かもしれないけど。
- 携帯電話に電子マネーを集約する
- 携帯電話に金が入っていて、定期券も入っていて、Physicalな財布を持ち歩く必要がなくなったとして、ケータイを落としたり、家に忘れたまま出かけたり、ケータイが壊れたりしたらどうするの?ましてや、社員証や免許証までケータイに入ってるなんて悪夢だ。
- 携帯電話でテレビを観る
- 超強力なCDNとしての価値なら分かるけど、もうねアホかと(ry
- 携帯電話でよくわからない動画を観る