世界は変わる

Winny開発者の著作権法違反幇助についての地裁判決が出た。有罪とのことであるが、本人は至って正気のようであり、その奥にビジョンがあることは最終弁当の大昔の解説を読めばわかる。

「私も無罪になったらうれしいんですが、私が有罪になって世の中が良くなるなら、それを最優先にしてください。遠慮無く有罪にしてもらって良いですから。」

そのビジョンは、非常に大きなものである。世界を大きく変える一連のイノベーションのひとつを彼が担っている*1。情報の障壁がなくフラット化した世界では、平面に水を流すように情報が伝播していく。今やそれが技術で可能になろうとしているのである。彼はまず、世界をフラットな平面にすることを可能にした。その過程で自衛隊や警察の情報も漏れていく。だって平らなんだもの。次に彼がやろうとしたのは、フラットな世界に区画を設けて水流を管理しようとしたのである。まずフラットな世界を実現してからでないと、区画を設けるのは難しい。

ところが古い世界の人間は、世界をフラットにする価値を理解していなかった。価値があると分かっている者がいても、順番が違うと言った。区画を設けて水流を制御してからフラットな世界を実現するのは、マッチを作ったことのない者がライターを作ろうとするような無謀な試みである。そして、「火事の危険がある」といってマッチ開発者を裁こうとしてしまった。

とはいえ、過渡期にある中で妥協点を探る必要もあるわけで、そこはやっぱり切り込むとは名ばかりで無難に問題解決をしたがる火消し屋に期待するしかないのかな。

*1:今日の各社社説はそれを理解しているとは言い難いが