Lost in Translation

これはいい! アメリカ人(といわず西洋人)はこんな目で日本を見ていたのかということに気付かされる。最初は日本のロクでもないようなところばっかり映してて、「バカにしてんのか」と思ってしまうけれども、物語が展開していくにつれてに、日本の美しい風景やいいところも映すようになっていく。京都のシーンなんかは、日本人には絶対に撮れないような美しさを引き出せていた。南禅寺はよかったが、平安神宮はどうかと思う。あんなの日本の伝統じゃねー、というか、中世からの伝統ではなくて明治の伝統だから。

それはともかく、スカーレット・ヨハンソンは綺麗。ビル・マーレイは見事に「中年の危機」を演じきっているし、素晴らしい映画。ただ、「日本にこんなとこあったんだ」と思ったところは、後で調べたらセットで作ったところだったりでもともと日本にはなかったところだった。とにかく、異邦人になってしまって、その孤独感が人生に対する虚無感とか諦観といったものに結びつくと、人間は非常にヤバイ状態になるんだなぁと実感。

そこから二人がいかにして希望を取り戻すのかは、映画を観てのお楽しみ。

ロスト・イン・トランスレーション [DVD]

ロスト・イン・トランスレーション [DVD]

気になったのは、渋谷に行けばヤバげな白人にも黒人にもインド人にも会えるわけだけれども、そういうのはさすがにこの映画ではなかったことにしてるみたいだけど、そういう人たちとつるんでそうなヤバげな日本人は沢山出てきてたので、その辺りの層に対する感覚がないおれにはやっぱり分からないなと思ったのでした。しかしこのDVD買ってよかった。