りんごチャレンジ

先日都内某所で行われた秘密の会合の目的は、有志が一年間の進捗を共有するというものであった。私は減量を終えてから一月近く経過しており、しかも最悪なことに11月はほとんど怪我でトレーニングができていない状態だったため増量に入れておらず、特に報告できる進捗もなくトボトボと参加したのであった。みんなが進捗を確認しつつ談笑している中で @yuitowest が持ち込んだ秋映が机の上にゴロっと無造作に転がっていたのだが、いかんせん会場が会場なだけに特にナイフやまな板があるわけでもなく、どうやってリンゴを食べたものかと逡巡…していなかったのだが、リンゴを握りつぶすことで有名な @hiroki_niinuma がいきなりパカッと真っ二つに素手で割ってかじり始めたのだった。そこからは早かった。彼のように片手でリンゴを握りつぶすことはできなくても、両手を使えば割れるのではないか。そんな希望が湧いてきた。のでやってみた。


りんごチャレンジ day 0 (秋映)

そうできなかったのである。ワイワイ盛り上がっていたが、一緒にいた友人たちは次々とパカパカ割っていくではないか。私は焦った。焦っていくつもリンゴに挑戦し、その度にヘタの辺りを妙に凹ませたりベタベタにしたりするが結局割れなかった。そのとき割れなかった人も他に何人かいたが、全員が翌日までに「帰ってやってみたら割れた」というではないか。なんということだ。私はクソザコのままなのか。更に焦った。というわけで、翌日からトレーニングメニューを一新してリンゴを割ることにフォーカスした。主なメニューは

  • CoC G 親指ピンチング: 普段は親指の付け根で握るが、親指の第一関節と手のひらを使って握る。これは案外力がよわく、全然閉じることができなかった。
  • ケトルベル親指ピンチング: たまたま自宅に4kgのケトルベルがあったので、親指だけで持ち上げる。

である。これを数日間毎日続けた。とくに筋力が上がるわけではないが、日々神経が通っていくことを実感していた。「これならいける!」私は確信して今日、先日の会合の折に頂いて帰った秋映最後の一個を手にとった。


りんごチャレンジ Day 4 秋映

・・・

そうまたしても割れなかったのである。本当にクソザコだ。このままではダメだ。死ぬしかないそう思ったとき、撮影していた妻がおもむろに別室から別のリンゴを持ってきて私に手渡した。どれ、む、少し小さいな。手が余る。うーん割れるのかといいながら、また握った。


りんごチャレンジ Day 4延長線 シナノスイート

ええーこんな簡単に割れんの?!?!?!?まあいいやとにかく大勝利!!!!大勝利だ!!!111

私は上がりきったテンションでリンゴをかじる。シャクっと音がする。リンゴが好きな妻は家に大量のストックを持っており、その中のひとつがシナノスイートという品種だそうだ。こちらは秋映よりも小ぶりで軽め、さっぱりとした味だ。うんうまい。こうして私は大勝利をおさめ、今ここに筆を執ったのである。

…いや思ったよりサクッと割れたのでもう一回秋映に挑戦したのだが、こちらはどんなに頑張ってもダメだったので、妻に頼んで切り分けてもらい、家族で楽しく食べましたとさ。なお動画から音声を抜くのに使ったコマンドは次の通り。 "-an" オプションが、オーディオについては何もしないという意味になる。

$ ffmpeg -i VID_20191203_201430.mp4 -vcodec copy -an akibae.mp4

アドベントカレンダーは以上だ。今年は肉体に進捗なく、他に特筆することもまだなく、いよいよ不惑が近くなったが人格は特に成長せず、仕事でも進捗がなく、うーん…来年こそはいいことがありますように。明日はPythonの良心こと @aodag 先生だ。

減量記録2019

前回の減量は一年近くかけて、2018年の連休明けくらいまでかけて66~67kgくらいまで落としたのだけど、最後はたしか風邪を引いて、それを治すために終わりにしてそのままだった。そこから1年経ってまた75kgくらいまで戻ったので、また減量した。

kuenishi.hatenadiary.jp

今回の目標はあんまりはっきりとは決めていなかったけど、たしか6月に始めるつもりがダラダラ伸びて結局7月の始めに「ホラやるんでしょ」みたいな感じで妻に促されて始まった。なんでダラダラ始めなかったかというと、食事メニューがなかなか決まらなかったからだ。PuLPを使っていい感じに線形最適化されたメニューを組もうとしたのだけど、PFCだけをパラメータに食材を決めるとどうなるかというと、米とプロテイン粉末とMCTオイルだけの食事になってしまうのである。わたしはもうちょっと幸福に生きたいと思って、幸福度を最適化目標のひとつに入れようとしたり、もっと食物の選択肢を増やそうと食品成分表を持ってこようとしたりして回り道をしすぎていた。

妻が結局メニューを組んでくれて、最初は

  • 一日二食、鶏胸肉orささみと葉っぱをそれなりに12pmと8pmくらいに
  • ライスは360g/day, 120gずつオニギリor茶碗ひとつにして、昼2個、夜1杯
  • プロテインは9am, 3pm, 11pm で3回
  • トレ中はマルトデキストリン+BCAA溶液を入れる
  • 仕事中に腹が減ったら適当にアーモンドorプロテイン
  • トレは週2~3回、重量落とさずにrep数少なめで

みたいな感じにしていた。たしか1ヶ月くらいは内臓中の消化物がはけていくのと、水分が抜けるので順調に減っていったのだけど、結局脂肪と筋肉はあんまり減っていなかったように思う。停滞を感じたわたしは

  • ライスは300g/day, 100gずつオニギリor茶碗にして、 昼1個、3pmに1個、夜1杯

に変更した。これが一番効いて8月9月1杯まででおよそ5kgほど減って、水分が抜けた朝一番なんかは70kgちょうどくらいまでになった。ところがここからまた停滞した。9月終わりから10月頭にかけてである。外食もほとんどしていなかったしウーンわからんとなっていた。

トレーニングの内容も、満足度が低かったので少し内容を変えた。上半身とかをなんとなく広くやっていたのを、体幹系の種目に集中するようにした。二分割して、上半身と下半身を交互にこなすようにした。特に脚を重視して、最大重量を維持することよりも12〜15repできる重量をきっちりこなすようにして、翌日、翌々日に歩行困難に出るくらいになることを意識した。わたしの場合はバーベルスクワットは60~70kg程度だ。上半身のメニューでは大胸筋、僧帽筋のメニューを軸にした。あとはウォームアップにチンニングと、下半身強化のためのアブローラーをメニューの仕上げに入れることにした。これで体幹系の大きい筋肉のグリコーゲンを消費することを心がけたのである。腕や肩、膝より下はあまりやらず、体幹系のメニューをやって疲れる程度で満足するようにしておいた。

ちょうど微妙なタイミングで、右上7番の臼歯の再植手術をした。出血するし麻酔するし抗生物質は飲むしで、ようは静養が必要な状態になった。しかもそれに加えて、再植部分に雑菌が入らないようになるべく反対側の歯で噛むようにしなければならず、口内の衛生状態を保つために食後する歯を磨くことにした。オフィスでの食後の歯磨きは面倒なので、家で全部食事をとることにした。一日二食を少し運用を変更して

  • 一日二食、鶏胸肉orささみと葉っぱをそれなりに830amと8pmくらいに
  • オートミールは200g/day, 100gずつにして、朝夜1杯ずつ
  • プロテインも食事時のみ、一日2回
  • 仕事中も間食はなし
  • 安静にするためにジムなし

といった生活に切り替えたところ、さらに体重がおよそ-1kgくらいになった。トレーニングをしていないので筋肉も落ちただろうが、血糖値を上げずに食事回数を増やす(トータルの食事は増やさない)という常識ををうちやぶって、食事を一日になるべく固めるというのでもわたしくらいのレベルだと成果が出なくはなくてキープができるということが分かったのは収穫だった。

というわけで無事に今回の減量も終了。

f:id:kuenishi:20191101230242p:plain
まあまあ順調に減っている。4ヶ月で5kgくらい


今回実感したのは、カロリーを計算するよりも食事そのものをコントロールすることの方が重要だということ。以前ゴールドジム国立店でジャガー佐藤さんの「わたしはカロリーはあまり計算しないけど、ライスの量でカロリーをコントロールする」といった旨の話を聞いて「そんなもんかぁ〜」と思っていたのだが、今回はそれを強く納得できた。つまり、カロリーの書いてあるよくわからない既製品や外食よりも、自分で炊いた米の重さを量った方がいいということだ。毎日の変動要因をなるべく抑えて、観測と自分の感覚に耳を澄まして食事や生活にフィードバックしていくことが重要だということでもある。

追記

分散システムデザインパターン寸評

「分散システム」という言葉は大まかにいって複数のコンピュータが一つの系となって協調動作するようなシステムのことを指す。本書のお題はそのときにどういうパターンがあるかを解説するものだ。作者がKubernetesの開発者であることや、副題をみても、複数のコンピュータを使って大規模にスケールするサービスを設計するときに必要なテクニックを解説するものだ。

分散システムデザインパターン ―コンテナを使ったスケーラブルなサービスの設計

分散システムデザインパターン ―コンテナを使ったスケーラブルなサービスの設計

しかしながら、分散システムという言葉は狭義には「いつでも故障しうる」複数のコンピュータがひとつの系となって協調動作するシステムという強い条件がつく。その上で協調動作のなかでも最も難易度の高いコンセンサス(合意)という問題を解くことが、学問分野として長年研究されてきた。なので私もそのためのデザインパターンを記述したものだと期待してしまったのだが、そうではなかった。
分散合意(Distributed Consensus)は分散システムの中でもとても重要な問題で、これを上手く解かないと、Durability(永続性)のあるシステムを組むことができない。Durabilityのあるシステムとは、つまりデータを保存する能力をもったシステムやサービスのことを指す。これができていないと、例えばひとつのデータを保存したつもりが、読むときに各々のコンピュータが別の値を返してくることになる。

本書では、第一部から、第二部の8章まではずっと準備運動のようなもので、Kubernetesでよくあるデザインパターンつまり、いかに上手くシステムを組むかのノウハウが伝授される。例題もほとんどがステートレスなものだったり、コンセンサスやDurabilityが必要ないものだ。
9章だけはetcdを使った分散ロックの実装サンプルで、分散操作のプリミティブを組み合わせて別のプリミティブを組み合わせるという面白い問題だ。しかしながらロックを実装するサンプルになってしまっていて、実用的な場面について多くが語られているわけではない。それどころか、こう、わりとバッサリ切り捨てている。

マスタ選出は 2 種類の実装方法があります。1 つめは、Paxos や Raft のような分 散コンセンサスアルゴリズムを実装する方法です。しかし、これらのアルゴリズムの 複雑さはこの本の範囲を超えてしまっていますし、自分で実装するほどの価値はあり ません。こういったアルゴリズムを実装するのは、アセンブリのコンペア・アンド・ スワップ命令の上にロックを実装するようなものです。学部生のコンピュータ科学 コースの課題としては興味深いですが、普通は実践するようなものではありません。

バッサリと切り捨ててからロックの実装を解説している…が、実用性をめざすのであれば適当なライブラリを使ったらよいと思うし、 etcdのclientv3にはよいExampleが入っている。ここだけは中途半端で、実用性という意味ではちょっと物足りないし、原理の解説については始めから諦めているし、どうしてこのような章があるのかちょっと分からなかった。
実用的には、ライブラリを使うときのAdvisory Lockの問題点(Mandatoryにすることはできないので、コーナーケースを詰めきることはできない)を解説して、この上にリトライ機構を頑張って組んでアプリケーションのレベルで安全性を保証することを解説しないといけない。そこを乗り越えないと実用的にはならないので、ちょっと何というかメインディッシュを外された感じがする。

まあステート管理はすべてクラウドストレージとかマネージドDBMSでやるんだと割り切ればこういう話でいいのだろうし、本一冊の内容になるといえばなる。これまでの分散システムの解説本でそういうことが十分に解説されてきたか?といえばまあ疑問だが。。。

第三部ではバッチとか、オンラインじゃない処理をスケールさせるときの代表的な手法が解説されている。たしかにWebサービスやふつうのITシステムを組む上で必要十分かもしれないけど、ここ2年ほど深層学習目的のHPCクラスタ上で分散計算をしている身では物足りない・・・。

そういうわけで、本書は分散システムの最も難しくて重要な問題に切り込んでおらず、でもシステムを組む上で頻出する簡単なパターンを網羅している。簡単なパターンばかりなのでわりとアドホックに作り込むことができるものばかりだ(ライブラリや基盤的なシステムとして外だしする必要がない)。つまりタイトルの付け方がうまくて、もっとSpecificにつけるなら「分散アプリケーションデザインパターン」である。アプリケーションとは何だという話ではあるが、Kubernetes上でたくさんのコンテナを使ってサービスを構築・運用していきたい人には良書だと思う。私はそちらの方は疎いけど。。。


[1] リンク https://www.oreilly.co.jp/books/9784873118758/
[2] 原著 https://www.oreilly.com/library/view/designing-distributed-systems/9781491983638/
[3] Azure Download https://azure.microsoft.com/ja-jp/resources/designing-distributed-systems/en-us/

雑記

箱根関所跡の見張り台から富士山を望む
箱根関所跡の見張り台から富士山を望む

2018年も暮れになってアドベントカレンダーの季節になってきました。夜中に今年のことを少しずつ思い出しながらこれを書いています。一年間のアルバムをいろいろ見返したのですが、撮れ高としてはイマイチで、箱根にいったときのものくらいしかあまりよいものがありませんでした。箱根はIT健保の保養所があるので何回か予約合戦をして行っているのですが、いつ行ってもいいですね。いつも同じところを巡るのですが、子どもたちも毎年違う楽しみ方をしています。

箱根駒ヶ岳から山頂の神社を望む
箱根駒ヶ岳から山頂の神社を望む

さて2018年を振り返ると、これまでのように対外的に発表をしたりといったこともなく、目立つ活動は年々減っているような気がします。本当にいろいろな意味でよくないことなのですが、2019年、2020年に向けていろいろと仕込んでいるということにしておきましょう。さすがに昔のように、よくわからないプログラムを仕事でもないのに書き連ねて公開するということはなくなりました。長男がScratchにハマって日々よくわからないものを作っていて、たまに見せられるのですが本当によくわからなくて、「オッおおう」みたいな反応をするのを反省したいところです。長男は面白くて、大人と話すときは「俺Pythonやってるんだよねー」というのですが、家でずっとやっているのはScratchです。その影響を受けて次男もパソコンがほしいといいだして、Chromeで音声検索して目当ての電車やトーマスに行き着いたりするハックを日々実践しています。まだかろうじて字が読めるくらいで、ろくに日本語も書けないしタイピングもできないのに、ですよ。長男はブラウザのタブを大量に開いてWikipediaのよくわからない項目を読みふけっていたかと思いきや、Scratchでよくわからないメロディーを鳴らしたりしています。YouTubeを見るのに我が家では30分制限/dayを課しているのですが、長男はその30分タイマーも最初Scratchで自作していました(後になんかWebサービスみつけてそっちを今は使っています)。現代のテクノロジーは人間をenforceするんだなあと感心しきりです。

一方の旧世代のオッサンたる私は何をしているかというと、ひたすらNintendo Switchでスプラトゥーンをプレイしています。さっきプロフィールを確認したらプレイ時間が720時間になっていたので、均等に期間をわりあてると今年は500時間ほどプレイしたことになります。今どきコンソールゲームで遊ぶなんてオッサンですね。若者はソシャゲです。オッサンは仕事ではMacをやめてLinux一筋で、プログラムは主にEmacsで書いてMakefileやsetup.pyを書いたりしています。21世紀も2/5近く経つのに20世紀なことばっかりです。扱う題材も流行りのディープラーニング…かと思いきや、結局MPIとか分散処理とかTCP/IPとかRPCとか、20世紀の頃からあったものばっかりです。もちろんニューラルネットワークというやつもこの10年で急に登場したわけではなくて、古くて新しい技術がここ数年で急に実用化され始めたということなのですが。あいかわらずlsとかmakeとかsshとかやって、会社には電車で通勤して、土日は家でゴロゴロ…と、なにひとつ未来な感じがありませんね。インターネットで通販しまくっているというのはもしかしたら新世代かも。

引っ越し

通勤で思い出しましたが、子供部屋を用意して隔離^H^H勉強に集中させようとして家を探したのですが、当時住んでいた国立の近辺によい物件がなかったので、思い切って10年ほど住んだ国立を離れることにしました。会社の近くになって、子供部屋も用意できて、住宅ローンという名の生命保険も加入できて、まあそれなりに生活は改善されました(もちろん全てが改善というわけにはいきませんが、概ねポジティブです)。いろいろなPaperworkがあったのですがこれもひとつ人生の勉強になりました。

さてこれまで明に公言はしませんでしたが、国立はとてもよいところです。もしも職場が中央線沿いなら、新宿以西なら、とてもよいところだと思います。たしかに中央線は脆弱で遅延などは多いですが、わたしのようにある程度時間に自由が利く職種ならそれも大きな問題になることは少ないです(なにかの事故で四谷トンネルの中で止まって、しかしお急ぎのあまり線路上で途中下車したお客様を探して安全確保のためにさらに待たされたときはさすがにちょっとムカッとしましたが)。まず国立は治安がよいです。駅前にパチンコ屋がありませんし、歩道を爆走する自転車が少ないです(ないとはいいません)。紀伊国屋スーパーや三浦屋など、国産食材を安心して調達できるスーパーが駅近くにありますし、各種私塾や習い事などの教育環境も整っています。一橋大学があって夜中でも学生がウロウロしているので、夜道が比較的安全(な気がする)。

なかでもよかったのは、味にうるさい我が家がお気に入りで行きつけになっていた店が近所にいくつもあったところです。

どの店も、週末には国立まで電車で来た客で埋まるくらい人気があります。どこも飽きない味で、いっときはこの3店で三週間かけて週末の外食ローテンションをしていました。シエル・ドゥ・リヨンとマナリッカはランチもお手頃価格なので、地元のマダムたちが大挙して押し寄せて歓談しています。天ぷらやましたは、銀座レベルの本格和風天ぷらがまあまあ(といっても毎月行けるか?といわれると悩む)の価格で味わうことができます。わざわざ銀座や都心までいっておいしい天ぷら屋を探さなくてもよかったので本当に楽だった。衣がきれいな色でサクッと軽いんですよね。
シエル・ドゥ・リヨンは、ランチメニューもよいですが個人的にはデザートがおすすめです。バニラアイスは上等なバニラを粒が確認できるくらい大量に突っ込んでいてとにかく香りがよいです。ルバーブのソルベは東京ではあまりありませんが、雑草の茎とは思えないくらい上品な酸味が効いていてこれも好きです。夏はルバーブのソルベで冬はバニラアイスがいいです。他のデザートも味と盛りがよくてよいです。
マナリッカは、なんか普通の民家なのに中に巨大なピザ窯があって薪が大量に積んであります。窯で薪で焼いたピザは生地がスモーキーに仕上がってパンチがあっていいんですよね。ピザはどれも原価率高そうな感じの素材を上手く使っていて、しかも定期的にメニューがアップデートされるので飽きずに毎月とか毎週行ける感じです。

歯の根管治療を始めた

二人子連れの引っ越しはやはり体力を使うものらしく、引っ越したら歯の根幹がそろそろ死にかけているという診断を受けました。歯に穴を開けて、根の先っぽまで中の組織をとっていって埋めるやつです。今通っている歯科医が非常に腕のよい人で安心しています。痛いかといわれたら最初の穴あけは痛かったんですが、穴あけたあと飲み会にいって日本酒飲んでるんだから世話ないよなという話です。そのあときっちり風邪でダウンしました。

トレーニングの進捗

昨年のアドベントカレンダーの記事を書いた頃はちょうど減量真っ最中だったのですが、その後半年近く減量をダラダラとやってしまい、最終的には連休明けに風邪を引いてしまい、目標体重65kgまで届かずに終了となりました。

減量2017-2018
減量2017-2018

減量が終了した後は筋肥大しつつ増量していこうとしています。なんか目標あった方がトレーニングの方針決まるよねということで、ビッグ3で合計300目指してパワーに寄せたメニューにしています。現時点では1RMでそれぞれBench 85, Deadlift 125, Squat 85 といったところです(同日というわけではなく、ここ最近のそれぞれの最大値)。あとちょいなんですが、ここからがなかなか伸びない。コンスタントにこの数字を維持できるようになりたいところです。仕事で忙しいことを言い訳にしがちですが、まあ子持ちの社会人なんてそんなものかもしれません。食事については、最近は特に気を遣わずに自然にしています。血糖値を落としすぎるとカタボリックになってしまうので、血糖値を上げすぎず下げすぎず、プロテインは食事含めて3時間に1回補給することを心がけていて、体重は70-72kg 近辺をウロウロしています。急に増え続けているわけではなくバランスしているので、このままよいコンディションで筋量を上げていきたいところです。

なお新居になってスペースができたのでふるさと納税でチンニングスタンドを導入しました。

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A wild chinning stand appeared home

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チンニングスタンドとPowerBlockがあるという環境なので、次はベンチが欲しくなります。うーん、スペースがない…ベンチとダンベルがあれば大抵のことはできるようになります。そこがスタートラインという気がしますが、きっとベンチを手に入れたらバーベルが欲しくなるのだろうと思って、なかなか難しいなと躊躇しています。ちなみに体重が増えたのでチンニングそのものはあまり伸びていません。ワイドでYができるようになったくらいかな。

キーボード作り

ErgoDoxがあまりに大きくて職場の卓上を占拠して邪魔区さいので、Ergo42を組みました。その後ErgoDoxを職場の同僚に譲ったところ、もともとのユーザーも含めてチーム全員がErgoDox-ezを購入するという現象が発生し驚いています。

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Deployed Ergo42! Very compact

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しかしながら、拡張のない4段では数字を入力するときにModifierが必要になり厳しかったのでIrisを作ろうとしましたがたくさん失敗しました。

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Failures, hard time

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たくさんの失敗を経た後、無事に完動品を複数実戦投入できました。

特にこちらの2つ目は、翌日が在宅勤務予定なのにLinuxデスクトップ用のキーボードが家にひとつもない(ので、朝までに完成させなければならない)というプレッシャーもありながらよく完成までこぎつけました。

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So here comes another one, 1am.

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今年面白かったアニメ、漫画

  • ブラックラグーン
  • 五等分の花嫁
  • 雪の峠・剣の舞
  • かぐや様は告らせたい
  • ウィッチクラフトワークス
  • 宇宙よりも遠い場所
  • 妹さえいればいい。

転職してから1年以上

転職してから1年以上になりますが、こうやってお仕事があるのは有り難いことで、比較的裁量がありながらもスタートアップの強いプレッシャーと期待感の下で仕事をすることができています。具体的には、社内で多く使われているDNNの学習プロセスを速く大きくするための技術開発とかインフラ開発がわたしの仕事になります。といってもスタートアップや外資にありがちなJD (Job Description) ベースの仕事定義ではなく、面白いこと、会社のためになることなら何でもやるといった、一見和風な企業文化のまま世界レベルの成果を出し続け…といっても当たり前のことを当たり前にやっているだけなんですが。

その一環にChainerMNというソフトウェア(5.0からはChainer本体にマージされました)を開発、メンテナンスし続けるというものがあります。並列計算ということもあり、このソフトウェアは一見たいへん扱いが難しいところがありますが、それを簡単に使いやすくしつつ、より速く学習が終わるようになるためにいろいろなコードを書いては捨てたりマージできたり、といったことを繰り返しています。Pythonで深層学習なんてそれにしてもナウい響きですが、やってることはミドルウェアの開発とメンテナンスなので地味だったりします。地味ですが社内で多く使われているのでふつうにフィードバックがよく来ます。あと深層学習で分散計算、ImageNetだけでいえば世間的には解かれいているかのような気がしますが、まだまだ未知の部分も多くて毎日が忙しいです。

あと現職で急に変わったことがひとつあります。前職までは私が最年少か、年齢でいって下から2番めというところばかりだったのですが、現職からはチーム内で私が最年長ということが多くなってきました。態度がデカいからなのか、それとも風格があるからなのかはわかりませんが、たまに若者たちに「上西さん、〜〜ってどうなんですか」などと最近ナウいアレやコレのことを聞かれたりします。でもその若者たちは大抵Ph.Dを持っていたりトップカンファレンスにバンバン論文通していたり、なんかすごいコード書いていたり、すごい外資経験していたり、なんとかのコンテストで世界優勝していたりするわけです。話していると滲み出てくる頭のよさ。そういうすごい若者たちとうまく対等に付き合う方法は難し…いかと思ったのですが、なんのことはない、みんな人格者なのでそこそこ上手くやってこれたのでこれっぽっちも心配いらなかったのでした。Preferred Networksという会社は、老いも若きも対等に成功を目指すことができる、夢のある職場です。つきましてはみなさん、私と一緒にChainerを分散させる仕事をしませんか。先日発表したMN-Coreもちろんスコープにはいっていますよ。本当にやることが沢山ありすぎて呆然としているんですが、そういうバタバタして何もない環境でこそ燃えるという皆さんのご応募をお待ちしています。

www.preferred-networks.jp

P.S. こちらの19日目の記事でした。

adventar.org

スプラトゥーンのガチマッチで勝つために気をつけていること

反射神経とエイム力(=相手に狙いを当てる能力)はそう簡単に身につくものではない。野良で味方を当てる運ゲーとも言われるが、運は待つのではなく引き寄せるものだ。年齢を重ねてしまった今そういうものを後から得られることはないが、頭を使ってできることもあるので、そういうことを書き並べてみようと思う。ちなみにウデマエはまだXに達したことがない程度のエンジョイ勢です。


多勢で挑む

まず多勢で挑むこと。多勢がより有利になることを数理的に示したランチェスターの法則によれば、多勢が攻撃を集中した場合は単に人数比ではなく、その自乗に比例して相手の戦力を削っていくことができる。つまり、すごい雑にいうと 4vs1 の場合、こちらは一人も削られることはないということだ。逆に 1vs4 の場合は相手を一人でも削れたら戦術的にはすごいことなのだが、全体的にはメリットは薄いので引くに如かずということになる。

どうしても局面的に数で押せない場合は、

  • 味方のいる場所まで逃げる
  • 近距離系のスペシャルで一気に倒す
  • 相手の射線がかぶるように立つ(こちらから見て向こうが縦一列に並んでいるような位置取りをする)
  • インクが塗れている場所や隘路に誘導して一人ずつ倒す

などを心がけよう。ブラスターやダイナモなど複数同時に倒せるブキもあるが、あちらの攻撃の手数は減らないのでやられるリスクの方が大きい。

1vs1 で勝てるかどうか

まず何よりもメインウェポンの基礎知識、相性とチョイスが重要。基本的に全部のブキを現場で使って試してみること、ネットで基本的な使い方やテクニックを覚えておくことをおすすめする。自分ができるかどうかは別にしても、上級者のプレイ動画を見ておくとよいだろう。自分の常用じゃなくても、ブキに対する理解は倒すときにも役立つ。そのためにも、まず各ブキの基本動作を習得しよう。おおまかにいって、それぞれ以下のようなものがある。

  • マニューバーでのスライド: 前後左右にシャコシャコ動くことで相手のエイムを混乱させることができる。物陰から急に登場して対応する前に倒すことができたりする。各種類で連続スライドの回数と硬直時間が微妙に違うので特徴をおさえておくとさらによいだろう *1
  • シューターでの斜撃ち: 高台にいる的に対して放物線状に弾を飛ばして当てる技術 *2 だ。基本的には高台から下に撃つのが有利なのだが、スプラトゥーンの世界では微妙に物理学が違うので斜撃ちをマスターすることによって 1:1 における高台の有利さをほとんど打ち消すことができる。ちなみに私は苦手だ。
  • チャージャーでのドラッグショット: 射線を相手に認識させることなくいきなりインクを当てる技術。ドラッグによってエイムがずれやすいのをどれだけ練習で修正できるかがコツ。これを理解しておくと、位置取りが悪いと射線がなくてもいきなりキルされることがわかるので、悪い位置取りを事前に避けることができるようになる。ドラッグショットとは直接関係ないが、各ステージにチャージャーの定位置がいくつかあるので、それを予め覚えておくと事前に警戒することができるし、上手くて近づけないチャージャーであれば早々に裏を取る戦術に切り替えることができる。

基本動作を習得して、実践で使っていくときにいくつか特性がみえてくるので、それを把握しておく。

  • 射程長めのシューター: 基本的には遠くから当てる中衛〜後衛用。懐に入られたら厄介だが、ギリギリなんとかなる場合も多い。裏をとりにくには向かない。キルタイムが長めのものが多い。
  • 射程短めのシューター: 基本的には前衛〜中衛用。射程によって、相手の懐や裏から倒すものと、距離感を維持しながら駆け引きで倒すものがある。キルタイムが短めのものが多い。
  • チャージャー: 射程が長く後衛用(スクイックリンと竹は中衛用)。キルをとりにいく場合はいかに位置を特定されずに移動し続けるかが重要。特定の拠点防衛には思ったより向かないが、上級者になると全く近寄れないので注意。たとえ下手でも、練習するとエイム力と相手のムーブに対する読みを鍛えることができる。
  • ローラー&フデ: 射程が短く扱いが難しいが、短距離で1確(一発で仕留めることができる)のローラーは貴重。フデはシューターに負けると思われがちだが、案外弾幕になって勝てることがあったりする。ダイナモは先読みとインク使用がシビアだが、そのセンスを磨くにはとてもよい。
  • ブラスター: 各種ブラスターをある程度使っておくことで射撃間隔のリズムをつかんでおくのが重要。同時に射程を把握しておくことで、爆風で被弾したときに前進して倒しにいくか、後退して避けるかを判断できるようにしておく。射程の長いブラスターであれば前進して倒す戦略がとりやすいが、射程の短いブラスターだと逃げたほうが得なことが多い。
  • スピナー: 射程とキルタイムが最強。中長距離でもキルタイムが短いので正面から近づくとすぐにやられる。裏をとりにいけないところに位置どられたらチャージャーに任せるしかない。逆に、チャージャーはスピナーを優先的に倒すようにしないといけない。
  • スロッシャー: 連射速度がブラスターよりも少しだけ短いのでうまく躱しながらやるとブラスターよりも圧倒的に強くなる。洗濯機は特に射程とダメージのバランスがよく中衛として人気がある。ほぼ垂直にインクがおちるので、シューターで斜撃ちが苦手な人には扱いやすいかもしれない。バケットスロッシャーは射程も長く2確のあたり範囲も少し広いので、上級者が持つと本当に強い。
  • シェルター: 傘を開くタイミングをうまく覚えると、単に連射で突っ込んでくるシューターや暴走イカスフィア、スーパーチャクチなどに対して防御ができるようになるので、戦術の幅が大きく広がる。傘を相手にしたときに開かれるタイミングもある程度予測できるようになっておくとよい。

射程の長いブキで射程の短いブキを倒すのが基本戦術になるが、射程の長過ぎるブキは射程が短くてもフットワークの軽いブキで工夫して倒すことができるようになっているので、自分が倒しやすいブキの相手を倒しながら、チームメイトと上手くタイミングをあわせて難しいブキ(上手いチャージャー)を倒しに行くようにする。たとえば味方がスペシャルやサブウェポンを使って相手を牽制している隙に裏に回り込んで倒すなど。

そのときになるべくうまく会敵することを心がける。射程の長いブキであれば正面からあたりにいってもよいが、基本的には first find first kill の原則に従って相手の死角から倒しにいくべきだ。したがって接敵方向は

後ろから > 横から >> 正面から

が有利な順番になる。もちろん後ろをとりにいったら、自分が相手に後ろをとられやすくなるし、相手のサイドにまわろうとしている時点で、別の敵に横腹を見せている可能性があることをお忘れなく。

味方チーム内のレベル差

みんな違ってみんないいので、4人集まれば当然上手いやつも上手くないやつも、相性のいいやつも相性の悪いやつもいる。さすがに下手なやつとか合わないやつばっかりとマッチングされるとこちらも人間なのでだんだんとテンションが下がってくるが、下手なやつは過去の自分だと思って責めすぎないようにしよう。責めたところで意味がないし、怒りをもたないように心がける方が簡単でコスパがよいからだ。全員のスキルレベルも必ず戦略、戦術に組み込んで行動するのがよい。切り込み隊長がいたら囮に使って裏にまわればよいし、あまり上手でない味方がいたら囮に使って敵を倒せばよい。もちろんこちらの行動が制限されたり難しくなることが多いだろうけど、本当に上手いやつはそれでも勝つといっていた。結果的に上手いやつが無双して勝ったようにみえても、そういういろんな駆け引きの上に勝利があるんだと思うことにしている。

地形

地形にあわせて有利なブキを選ぼう。理想的にはすべてのマップの地形と初動パターンを頭に入れておくのがよいが、そうでなくてもざっくりと頭に入れておくのがよいだろう。

平地vs凹凸の多い地形

ホテルオークラやモズク農園など、平地の多いマップでは見通しがよいので、射程の長いブキが有利だ。イカ速をつけて機動力をアップしても戦術の選択肢がひろがる。広い平地をなるべくよく塗っておくことで自由に移動しながら素早く移動して相手をつかまえて倒せるようになる。あと平地だとカーリングボム移動が捗る。

一方でハコフグ倉庫やタチウオパーキングなど凹凸の多いマップでは見通しが悪いので、射程の短いブキを使って物陰に隠れながら敵にアプローチしやすくなる。塗りが多少悪くてもなんとかなることもある。しかし凹凸の多いマップだからブラスターが有利か?というと個人的にはそう感じないことも多い。難しい…

細い地形vs広い地形

細い地形だといくつかのスペシャルウェポンが有利になる。具体的にはハイパープレッサーとマルチミサイルが逃げ場が少なくなるので脅威だ。時点でルールによってはアメフラシか。逆に丸く開けたマップだとこういうブキは扱いが難しいことがある。広い地形だと裏にまわるルートが増えることが多いので、インクアーマーやスーパーチャクチなど単独行に向いたスペシャルとメインウェポンを選ぶとよい。

駆け引き

「裏をとりにくべきかどうか?」は、おおまかにいって次のように考えている。

  • 正面で拮抗または押されていて打開したいときに有効
  • 正面で押している場合は無用なリスクになる(相手が裏をとってくる場合がある)
  • 戦線が溶けかかっているとき→裏をとれなくても横からいくべき
  • 裏をとられている場合(何度もやられている場合)→かならず殿を誰かがやる

裏を取ると効果が高いのは、↑で述べたように後ろや横から会敵した場合に1:1でも勝つ可能性が高いからだ。いちど勝って戦力差をつけた瞬間からランチェスターの二次法則でさらに戦力差がついていくので、状況を打開するきっかけになりやすい。では、「正面で拮抗または押されていて打開したいときに有効」と述べたが、こういうときに必ず裏をとりにいくべきか?については自明ではない。というか、これはスプラトゥーンだけでなく、人類の戦史上かなり重要なテーマである。

リデルハート戦略論 間接的アプローチ 上

リデルハート戦略論 間接的アプローチ 上

リデル・ハートの著書によれば、戦史上大きな戦果は裏をとりにいって相手に多正面作戦を強いるたときに、数の多寡に関わらず勝てるという結論になっている。では、裏をとりにいってよいときはどういうときか?これは、前線を維持できる限りにおいて裏をとりにいってよいと書いてある。つまり、拮抗状態を維持する工夫や、前線を崩壊させない工夫なしに前線を抜けたりしてはいけないのである。工夫というのは、たとえばマルチミサイルで回避行動をとらせて気をそらすとか、ボムなどで牽制してからこっそり後退するとか、まあスペシャルとかサブウェポンを使った、そういう工夫である。それでも勘のいいやつはマップをみて裏とりに気付くので、そういうときは味方にスペシャルつきで陽動をしてもらうとか連携が大事になってきたりする。

戦況把握

駆け引きというか、それ以前にこの先30秒〜1分間の行動を決定するのに最も重要なのが戦況の把握だ。これには2つ手段があって、TPSでの目視観察と、マップでの全体観察である。前者は、前線に近い場所で潜伏して5〜10秒ジッとしているだけで実は案外いろんなことがわかる。これを上手く使っていたのがMOTTYで、プレイ動画を参考にするとよいだろう。ちょっとジッとしているだけで相手に移動飛沫がみえたり、遠くでリスポーンするやつがいたり、チャージャーの射線がみえたり、ブラスターの爆風がみえたりする。裏を取りに変わったルートで回り込んでくるヤツもマップによっては見えたりする。これで相手の位置をきっちり特定すればその後の行動をきめて相手の不意をついて倒せるようになるし、相手が顔を出して攻撃してくるタイミングもおおよそ読めるので、私はかなり重視している。

後者のマップでの全体観察はよく言われることだが、ここからわかることは案外少ない。インクの塗り具合と、今どこが塗られているか、味方の位置と、インクで塗れている敵の位置がわかるくらいだ。きっちり自陣を塗った上でマメに確認することで、裏とりを未然に察知できるくらいだ。その割に目の前が見えなくなるし目がチカチカするしで個人的にはあまりメリットは少ないと思っている。

裏とりに気づいたら、おおっぴらに追いかけるのもよいが、相手のルートを予想して潜伏して、待ち伏せて華麗に倒すととても気持ちがいい。

対複数戦

多勢に無勢になってしまったときは、まず基本的には三十六計逃げるに如かずである。しかしまあどうにもならないときには、自分のまわりがある程度塗れているときに限って、

  • 近距離系のスペシャルで同時に倒す
  • 相手の射線がかぶるように位置どって一人ずつ倒す
  • 置きボムで逃げながら少しずつ倒す

現実世界だと逃げながら待ち伏せて一人ずつ倒すというのが可能だが、スプラトゥーンの世界ではみんな移動力が同じなのと、複数人だと交互に塗りながら進めるので実は単独で追うよりも速度が出てしまい難しいことが多いので、逃げるときは逃げると決めて逃げよう。スーパージャンプは相手に位置が特定されていないとき、発見されるまで時間がありそうなときにだけ使おう。

相手の動きを読む、コントロールする

ボムを右側に投げ込んでおいて左側に出てくるのを待つ

動きを読む
 戦況把握
 敵陣奥深く、前線よりちょっと奥で潜伏して後ろからキル
 なるべく丹念にリスポーン〜前線までのルートを塗っておいてリスク回避
 隠れてそうな物陰を遠くから塗ってみたり、センサーを投げてみたりする

定跡(だと思っているもの)

エリア

 エリアの中に入らない
 潜伏系の戦術があまり通用しない
 回り込んで相手の人数減らせるかどうか
 エリア確保できたら押し込んでいくのが基本
 エリアは逆転要素少ないので実力が如実に出る

ホコ

 ホコの位置を常に確認
 ホコを割ると周囲が塗れるので有利
 割るのに必死になっていると横からやられる場合がある
 相手の人数を減らしてからホコを運ぶのが基本
 相手の虚をつければ人数を減らせてなくても勝てる
 ホコのルート選びがセンスを問われる
 ホコが最強のブキなので撃ちまくる
 エイムがよければ警備は不要
 裏とられると弱いので、後ろに護衛が必要
 誰がホコを持つか?問題

ヤグラ

 誰がヤグラに乗るか?問題
  できればチャージャーかスピナーなど射程の長いブキが乗るべきだが、地形次第では難しい場合も
  うまくサポートに回れるチャージャーなら、射程の短いブキでも乗るべき
 ヤグラから降りるタイミング
  敵が近づいてきているが、1:1でも倒せそうな相手の場合は降りて倒す
  降りずに倒すのがベストだが物陰を利用されたりフットワークのよい相手だと難しい
  味方がジャンプしてきている場合
  自分よりもふさわしい味方が乗ってきた場合(ラスト30秒以外)
 ヤグラから降りるべきでないとき
  周囲が完全に塗られていて孤立している場合
  多勢に囲まれていてカウントを更新し続けている場合は1つでもカウントを進めるべき
  味方がジャンプしてこない場合
 ヤグラは裏をとられにくいが、それでも裏に回ってくる場合があるので余裕があるときにマップなどで確認
 ヤグラの上ではジャンプしない
 ヤグラの上ではインクチャージ以外で潜伏しない
 ヤグラに乗ってない人はクリアリングまたは前線開拓に専念する
 ブラスター対策
  斜撃ちを練習してマスター

アサリ

 難しい、未だに慣れない
 9まで貯めといてアサリをひとつずつ投げながらコッソリゴールまで移動する
 ボールができたら、ゴール下にいる味方に向かってスーパージャンプする
 ディフェンスが案外大事で、味方が攻め気のときに一人残ってクリアリングしつつ、↑のような裏とりを防ぐ

復習

stat.inkイカリング2 | スプラトゥーン2 | Nintendo Switch | 任天堂を使うと、各バトルのStatsが見れるので、次のバトルまでの短い時間でよいので、バトルでの自分の手応えと、実際のStatsを見て感覚を修正する作業を怠らないこと。手応えないな~と思ってたら意外と苦戦していたり、キル数で差がついていなくてもデス数で差がついていたりすることもあるので、僕は必ずやることにしている。あと勝ったときもね!

まとめ

自分がスプラトゥーンを何百時間かやったり動画をみたりして、いろいろ思っていたのを言葉にしてまとめてみた。基本的には、個別の知識よりも全体的な考え方とか、抽象的な考え方と、どこでも応用できる基本動作に絞って初級〜中級くらいの難易度でまとめた。ネットで言われていることやまとめサイトに書かれていることが膨大すぎてちょっとダルいし体系だってないので、自分向けに基本を忘れないようにできたらいい。

*1:私はマニューバーだけがどうしても苦手だったりする

*2:正確にはスプラトゥーンの世界では放物線にインクが飛ぶことはないが、まあ現実に対するアナロジーとして

Ergo42 というキーボードを自作した

学部時代、研究室で雑談しているときに自転車の話になって、バーハンドルとドロップハンドルのどちらがよいかという話になったときに先輩が「人間の腕はこうついてるんだよ、こうじゃないんだよ」といって前ならえのポーズをして主張したことがあった。確かに前腕を前に出したときに、手のひらを前にむけて指を上にむけるよりも、前ならえの格好のように手のひらを内側に向けて指を前に向けた方が人間の骨格や筋肉がより自然な状態に近くなり、緊張している部分が少ないことがわかる。健康のためには、なるべく自然な姿勢でいなければならない。というわけでセパレート型のキーボードを自分で組んで職場で使っている。自作PCくらい簡単だった。

Deployed Ergo42! Very compact

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背景

わたしのようなデスクワーカーはキーボードにタイプをするのが仕事の一部なわけで、一日のうち少なくない時間をこれに費やしている。
Community Blog - 握力王 vs 日本男児 ヘルシーすぎるプログラマ対談(Part2) でも述べられているように、上半身の健康のためには人間の身体がなるべく自然な状態でキーボードを使えるようにするために、人類はセパレート型のキーボードを使うべきである。ちょっと誇張したかもしれない。実際私は既にKinesisユーザーであったが、卓上でスペースをとりすぎる、幅が固定されているなどの問題があって、次はErgoDox-ezを使った。Ergodox-ezにしてよかったのは、幅や位置を自由にできる、卓上のスペースを少し節約できる、キーボード配列をファームウェアレベルで変更できるということだ。特に配列を自由に組めるというのはとても便利で、OSの設定を変更しなくてよいとか、どのマシンにつないでもすぐ使えるというメリットがあって、我々のようにたまにマシンを複数台使い分けるようなケースでこれが以外と便利なのだ。それでKinesisっぽい配列を自分で作ってしばらく職場で便利に使っていた。

/* Keymap 0: Basic layer
 *
 * ,--------------------------------------------------.           ,--------------------------------------------------.
 * |   =    |   1  |   2  |   3  |   4  |   5  | Esc  |           | Meh  |   6  |   7  |   8  |   9  |   0  |   -_   |
 * |--------+------+------+------+------+-------------|           |------+------+------+------+------+------+--------|
 * | Tab    |   Q  |   W  |   E  |   R  |   T  | Alt  |           | L1   |   Y  |   U  |   I  |   O  |   P  |   \|   |
 * |--------+------+------+------+------+------|      |           |      |------+------+------+------+------+--------|
 * | LCtrl  |   A  |   S  |   D  |   F  |   G  |------|           |------|   H  |   J  |   K  |   L  |  ;:  | '"     |
 * |--------+------+------+------+------+------| Alt  |           | L2   |------+------+------+------+------+--------|
 * | LShift |   Z  |   X  |   C  |   V  |   B  |      |           |      |   N  |   M  |   ,  |   .  |  /   | RShift |
 * `--------+------+------+------+------+-------------'           `-------------+------+------+------+------+--------'
 *   | `~   |  \|  | Alt  | Left | Right|                                       |  Up  | Down |   [  |   ]  | Alt  |
 *   `----------------------------------'                                       `----------------------------------'
 *                                        ,-------------.       ,--------------.
 *                                        | Ctrl | Alt  |       | Cmd  |Ctrl   |
 *                                 ,------|------|------|       |------+-------+------.
 *                                 |      |      | Home |       | PgUp |       |      |
 *                                 | BS   | Del  |------|       |------| Enter |Space |
 *                                 |      |      | End  |       | PgDn |       |      |
 *                                 `--------------------'       `----------------------'
 */

とくにこの配列で気を付けたのは、Emacsenは小指が命、小指でCtrlを押すように出来上がってしまっているので、この配列が変わってしまうと生産性が 1/10 になってしまうことだ。そういうわけでしばらく既製品のErgoDoxで満足していて、キーボード自作ブームとは少し距離をおいていた。

…しかし、やっぱり机を広く使いたかった。

とりあえず何か作ってみる

自分はミニマリストではないので、MiniDoxとかPlanckにはあまり惹かれなかった。キー数が少ないとレイヤーを切り替えながら使うことになるのだが、キーボードを小さくするのにキーストローク数が増えてはかえって効率が落ちて本末転倒だと考えたからだ。なのでErgoDoxと似たような配列でサイズが小さくなった感じのIrisを…と思ったら在庫切れていた。で、岡本さんに教えてもらったErgo42も勢いでとりあえずポチった。 当時のEarly Birdで rev1 を買った。今は入手方法は違うかもしれないが、PCBの設計はGitHubで公開されているので、いざとなれば自分でメーカーに注文して焼いてもらうこともできるだろう。調べたら今は5枚から安く作れるようになっているようだ。先輩方に教えてもらいながらAliExpressでパーツを大量に買いまくった。失敗してもいいように、必要量の2倍くらい買った。それでもAliExpressは安くて、秋葉原や日本の通販サイトで買うよりもかなりやすい。

  • TRRSジャック( PJ320A headphone jack)
  • TRRSケーブル
  • キースイッチ
  • キーキャップ
  • 1N4148ダイオード
  • Pro Micro
  • タクタイルスイッチ

ネジとかケースはErgo42もIrisもPCBに付属しているので、とりあえずそれでよい。理想の形を追求するときはまた考えるけど…さすがに香港シンガポール深圳からエアメールで届くので時間はかかる。早いもので2週間、長いやつで3週間ちょいくらいだったかな。

Keyboard DIY parts, all get ready

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半田セットも、小学生のときに使ってたものを去年か今年捨ててしまったばかりだったので、改めて買い直した。面倒なのでこのあたりは全部HAKKOで揃えた。高温になる部品だし信頼性を優先して国産でちゃんとしたものを yodobashi.com で買い揃えた。

あとは半田吸いがあると、失敗した半田をやり直すのに役に立つ。テスターは適当に秋葉原でダイオードチェックができるやつを買った。

実際に組む

本家のREADMEはキーボード組むのに慣れている人には十分だが、初心者には難しいので、写真つきで詳しい解説のある
自作キーボード (Ergo42) を組み立てた - Qiita を参考にするのがよいだろう。というか、組むことが目的ならこの記事を見るだけでよくて、以下の私の文章は特に読む必要はない。しかしErgo42だけでなく、半田づけとかキーボードづくりのノリを学ぶために他のキーボード自作の記録をネット上でよく見ておくとよいと思う。手順はそんなに複雑ではないけど、ここでも私の理解を並べておこう。

1. ダイオードをさす

こんな感じで、全部さしておく。曲げるのは本当はリードベンダー( サンハヤト リードベンダー RB-5 リード線、部品の簡易折り曲げ器 )を使った方がよいが、まあ手で曲げても疲れるのと不格好なのを我慢できれば問題ない。このときダイオードの向きを間違えると動作しないので注意。

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これをひとつずつ半田づけして、余ったワイヤーをニッパーで丹念に切っていく。だるい。これで徐々に半田に慣れておくと、ロジックボードやタクタイルスイッチ、TRRSジャックなどのちょっと難しい半田づけもやりやすくなるだろう。基本的には、付け根をぐっと小手先で抑えて熱しながら半田線を当てると、ある温度になった瞬間に半田が接合面にシュッと吸い込まれているので、その瞬間を逃さずに半田線をパッと離す。ダラダラ半田線をつけているとどんどん溶解してダマになってしまう。小手を離すのが早いと半田線が接合面についたまま冷えてしまって半田線がとれなくなってしまう(それを離すためにまた小手で加熱すると不要な半田が接着部に流れ込んでダマになる)。

自信のない人や、はんだ付けが初めての人は先にプロの解説講座を一通り読むことを強くすすめる。脳内でシミュレーションしたり、別のボードを買って練習しておけば絶対に私よりも上手にできるようになっていることだろう。私は子供時代にはんだ付けしたことがあったという謎の自信だけがあり、時間が勿体なかったのでざっとナナメ読みだけして半田セットの機器選定だけ参考にした。

ダイオードを全部さしたら、テスターでダイオードの動作確認をきちんとやっておこう。ダイオードは片方向にだけ電流を流すことができて、反対方向には電流が一切流れない電子部品である。ダイオードモードのあるテスターを買っておくことが望ましいが、そうでなければ抵抗測定で代用してもいいだろう。とりあえず全部のダイオードがショートしていないこと、接着面が導通していることを確認しよう。

テスターのダイオード測定モードは電流を少し流して雑に測るもののようで、このあとの導通テストも全部ダイオード測定モードでやってしまえるくらい万能である。ダイオード測定モードのついているテスターを必ず買おう。ボタン電池で動くやつがコンパクトでいいと思う。こういうやつ。

2. 他の電子部品をはんだ付けする

タクタイルスイッチ、TRRSジャック、Pro Micro。Pro Microは表裏を間違えずにやること。Pro Microの足が多く間隔が狭いので、ここがショートしてしまうとあとで動かなくなる。接着に成功したら、タクタイルスイッチとTRRSジャックの導通はこの時点で確認しておこう。タクタイルスイッチはボタンを押している間だけ導通する。TRRSジャックは、ケーブルをつないで、左右のそれぞれの電極「だけ」が導通していることをチェックしよう。

3. キースイッチをつける

安物のキースイッチだと信頼性に不安があるので、キースイッチを全部フレームにはめた時点で導通を確認しよう。キースイッチは、キーを押している間だけ導通していること、キーを押してないときは絶縁していることを確認する。それをPCBにはめる。PCBの穴にキースイッチがはまると仮止めになるので、あとは順にはんだ付けしている。はんだ付けが終わったら、接着面をテスターで抑えながらキースイッチを押して導通を確認しよう。キースイッチを押しても導通しない場合ははんだ付けに失敗しているか、キースイッチが不良品のどちらかのケースだ。

私の場合は、フレームをはめるのを忘れて、キースイッチを直接PCBにはめ込んで全キーはんだ付けした後にフレームをつけるのを失念していたことに気付いた(というか、ドキュメントなどをろくに読まなかったのでフレームを先につけないといけないことを知らなかった)ので、一旦PCBにはんだ付けしたキースイッチを全て外してから(一つずつ半田を熱して引っ張ってとるという危険な作業)、改めてフレーム越しに半田づけするという残念でアホな失敗をとりかえす作業で3時間以上ロスをした。この過程でキースイッチが5,6個ダメになったのだが、それに気づけたのは、適当なタイミングでテスターを使ってテストをまめに繰り返していたからだ。

キースイッチがついた時点で、物理的な配線は全て完了している。本格的にネジなどで組み立てる前にこの時点で各種テストを行っておくののがよい。

4. 回路テスト

テスターでの導通テストはここまでで一通り済んでいるはずなので、ここではパソコンにつないでキーを使えることをテストする。片側だけでいいので、 Pro Micro をパソコンに接続して、ファームウェアをインストールする。(Macであれば port install avrdude などとしてQMK用の環境を整えておこう)

$ git clone git://github.com/qmk/qmk_firmware
$ cd qmk_firmware
$ make ergo42/rev1:default:avrdude

Linuxの場合は最後のMakeはroot権限が必要になるだろう。クロスコンパイル環境やavrdude が入っていれば、この時点で ...... という入力待ちになるので、タクタイルスイッチをポチッとするとファームウェアの書き込みが行われる。

ファームウェアの書き込みが終わったらUSBキーボードとして使える状態になっているので、ひとつひとつのキーを全部押して動作確認をする。デフォルトの配列はソースコードに次のように書かれている。

/* BASE
 * ,------------------------------------------------.   ,------------------------------------------------.
 * | ESC  | Tab  |   Q  |   W  |   E  |   R  |  T   |   |  Y   |   U  |   I  |   O  |   P  |   [  | Bksp |
 * |------+------+------+------+------+------+------|   |-------------+------+------+------+------+------|
 * | Del  | RCtrl|   A  |   S  |   D  |   F  |  G   |   |  H   |   J  |   K  |   L  |   ;  |   ]  | Enter|
 * |------+------+------+------+------+------+------|   |------|------+------+------+------+------+------|
 * | SYMB | LSft |   Z  |   X  |   C  |   V  |  B   |   |  N   |   M  |   ,  |   .  |   /  |  UP  | RSft |
 * |------+------+------+------+------+------+------|   |------+------+------+------+------+------+------|
 * | META | LCtrl|   `  |   \  | LAlt | LGUI |Space |   |Space |   '  |   -  |   =  | LEFT | DOWN | RIGHT|
 * `------------------------------------------------'   `------------------------------------------------'
 */

右側のPro Microを挿したときも同様にファームウェアを書き込む。このとき、配列は右側のそれではなく左側の裏返しのようになるので注意すること。

これで正常動作しないキーがあったら、そこのはんだ付けかパーツがおかしいことがほとんどなので、それを再度確認して戻って直す。ほとんどないと思うがPCBが万が一破損していたら別のPCBでやり直すしかないだろう。

再確認できたら、左側のPro Microをパソコンに接続して、TRRSケーブルで左右をつないで全キーの動作確認する。左右の確認がそれぞれできていたら、全体の大抵は動く、はず…。ちなみに私がやったときはここまで何度の手戻りして、ここまでで午前5時くらいだったはず。平日にやるもんじゃない。

5. フレームなどを整えてキーキャップをさす

ここはまあTrivialといえばTrivialだし、楽しいといえば楽しいところ。予め買っておいたキーキャップを淡々とはめていく。

It’s 5am when I finished. My first DIY keyboard.

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6. キーボード配列を考えて実装する

ErgoDoxから 4x7 の配列になってキー数が大幅に減ってとても困っていてここはわりと悩んだ。悩んでいまのところこういう配列になった。

/* BASE
 * ,------------------------------------------------.          ,------------------------------------------------.
 * | ESC  | Tab  |   Q  |   W  |   E  |   R  |  T   |          |  Y   |   U  |   I  |   O  |   P  |   [  |  ]   |
 * |------+------+------+------+------+------+------|          |-------------+------+------+------+------+------|
 * | LCtrl| LCtrl|   A  |   S  |   D  |   F  |  G   |          |  H   |   J  |   K  |   L  |   ;  |   '  |  \   |
 * |------+------+------+------+------+------+------|          |------|------+------+------+------+------+------|
 * | LSft | LSft |   Z  |   X  |   C  |   V  |  B   |          |  N   |   M  |   ,  |   .  |   /  | RSft |      |
 * |------+------+------+------+------+------+------|          |------+------+------+------+------+------+------|
 * | META |      |      | LGUI | LAlt | Bksp |Space |          |Space | Entr |      |                    | SYMB |
 * `------------------------------------------------'          `------------------------------------------------'
 */

METAを押している間レイヤーが切り替わって、最上段で数字を打ち込めるようになる。またSYMBを押している間は最上段+Shiftを押した状態をイメージして、各種記号を打てるようになる。ちなみにこれは読みやすくしたソースコードのコメントなので、本体このコメント直下のマクロを並べたものである。このコメントだけ書き換えて下のマクロを直し忘れて、いざファームを書いても反映されない…?ということがよくあるので、注意するとよい。

で、これはデフォルトとは違う配列なので、改めて standard という適当な名前のディレクトリをコピーで作って、それにあわせて次のようにビルドして書き込む。

$ make ergo42/rev1:standard:avrdude

最後の :avrdude をとるとファームウェアをビルドするだけになるので、Linuxだとルート権限がいらなくなる。

というわけで、できあがり。最初はちょっと違った配列だったのだけど、職場でもちょいちょい配列を組み直したりして業務改善して上記の配列になった。今は冒頭の写真とはちょっと違ったキーキャップがささっていて、自分で油性ペンで適当に "[] \ ⬆" などの記号を書き足したりしてある。

おまけ

Ergo42パーツが全部揃って、さあやるかといったときにIrisのPCBも届いて大変なことになっているけど、またやろう。ロープロファイルを作りたい。Kalihの キースイッチはAliExpressにあるんだけど、果たしてこれはOKなやつなんだろうかとか、キーキャップたけえなあ ( Kailh Low Profile Keycaps - Blank – NovelKeys, LLC , Kailhロープロ無刻印キーキャップ | 遊舎工房 SHOP )… ってなってる。

トップレベルのコンピュータエンジニアなら普段からチェックして当然の技術系メディアN選

〜〜が知っておくべきサイト20選とか、エンジニアなら今すぐフォローすべき有名人とか、いつも釣られてみにいくと全く興味なかったり拍子抜けしたりするわけだが、こういうのが並んでいたらあまりの格の違いに絶望してしまうだろうというものを適当に並べてみた。私が見ているわけではなくて、こうありたいと思っている私の願望である。どちらかというとインフラ系とか基盤系のものに偏っているが、あくまで私が興味ある一連の例だと思ってください。「これが入ってない!」というクレームは受け付けますので、是非教えてください。一緒に成層圏まで意識を高めましょう。

情報サイト、有名ブログ

Software Engineering Radio : IEEEが主催しているソフトウェアエンジニア向けのPodCast。データベースからフロントエンド、暗号、ハードウェア、マイクロサービス、などなどとにかく多様なジャンルの最新のトピックの著名人を連れてきてインタビュー形式でいろいろ語らせるというものだ。とにかく質問が上手くて、全然背景知識がなくても基本的なことから全部説明させる。たとえば、あなたの会社はどのようなビジネスをしていますか?みたいなところから上手く技術的なところに帰着させる(そんあ質問が本当にあったかどうかは忘れた)。基本的に話が上手い人ばかりなので、英会話が苦手な我々でも単語は分かるしノリに慣れればわりとよく聞ける。

The Morning Paper : Adrian Coyler という学生?かな?計算機科学徒が学期中にひたすら毎朝論文を読んでザックリとメモを残していくというブログ。論文のチョイスがいいところを突いていて、適度に深く適度にホット、それでいてたまに古典に戻ったりするので、ああ向こうではきっとオフラインでこういうのずっと話してるんだろうなあと思わせる。これに出てくる論文を我慢して全部読んでいけばかなり広範な知識が手に入るだろう(とはいえ、ひとつの論文をじっくりよんで内容を実装すことも大事なので数こなすだけではダメだ)。

追記:


Peter Bailis: Highly Available, Seldom Consistent | Peter Bailis : Peter Bailisという、分散システム界の有名人のブログ。UCBの学生だったのがいつの間にかStanfordでポストを手に入れたぽい。RAMP TransactionとかI-Confluenceとかああいった話は全部ここから来ている。この人を追えばStanfordでも分散システム系の動きは大体追えるんじゃないかっていう気はしている。

The Next Platform : ちょっと変わって普通のメディア。これはまあ適度にナウくてライトで分量もそれなりなので、興味のあまりない話題を適度に拾って「そんな世界もあるんだ〜」と追うのに向いている。

スーパーコンピューティングの将来 : GRAPEを開発したことで知られる牧野淳一郎先生がわりと真面目にコンピュータとかそれに付随する話題について語った一連の文章。非常に読み応えがあるけど更新が少ないので、もっとしっかり追いかけたい人は先生のTwitterを見ておくのがよいだろう。

Aphyr : データベース界に衝撃をもたらしたJepsenを開発した孤高の筋肉野郎Kyle Kingsburyのサイト。彼のおかげで世のデータベースはだいぶ安全になったし、ネットワーク越しの分散が実はとても難しいんだと知った人は多いのではないだろうか。なんか最近はKSPやってるみたいだけど…そういえば彼のTwitterはたまに重要な情報が流れてくるけど、フォローするのはちょっとした覚悟がいる。

All Things Distributed : 言わずと知れたAmazon CTOのブログ。正直AWSの新サービスとかAWSの話はあまり興味はないのだけど、たまに Back to Basics という、CSの古典論文を思い出して読んだメモをここに書くことがあって、それはとても面白いので一応フィードに登録だけはしてある。

Perspectives – James Hamilton's Blog : AWS の実質CTOといわれるJames Hamiltonのブログ。こちらの方が技術的な内容が多い。

https://danluu.com/ : MSやGoogleでエンジニアをやっていたDan Luuという人の記事。コンピューターに関する知識や洞察が非常に深く、とても実用的だけど普段の仕事ではなかなか身につかない、手の届かないかゆいところに届くような知識が沢山書いてある。

企業系

重要なOSSや論文は最近は大学ではなく企業の研究開発機関から出てくることが多くなった。

Facebook Research / Publications – Facebook Research : Facebook Research は深層学習やWebだけでなく、分散システムやネットワークなどのより基礎的な分野でも重要な研究を多く発表して世界をリードしている。個人的にはGoogleのようなチート感もAmazonやMSのような感じもなくていちばん親近感を持っている。

Google Research Blog https://research.googleblog.com : まあ言わずとしれたGoogleの研究成果を発表する場所。計算機科学に関する研究開発は、その質も量も圧倒的に他社を引き離して2周ほど先を行ってる感じがある。本当は Publications の方を直接追いたいんだけど、こっちはRSSがないので…。

Dropbox Tech Blog : SE Radio で出てきたExodus from AWS の話を聞いて購読を始めた。それまでDropboxって大したことしてないのかなあと思っていたけど、PythonだけでなくGoやRustも使いこなして自前で高効率のストレージを構築したというのだから私の目が曇っていたのだった。いちいちセンスがあって感動する。

Netflix TechBlog – Medium : Webサービス界の巨人Netflixの技術ブログだ。話題は多岐にわたりNetflixのサービス運用、配信系、マイクロサービス、OSS、Brendan Greggという、ストリーミングだけでなく高パフォーマンスなシステムを作るのに欠かせない話題が山のように出てくる。

Google Open Source Blog : グーグルがOSSの話を出すところ。Researchと違って実用的だったりインターンの話だったりする。ガチじゃないゆるふわ勢の癒やしになるかも。

Blog - Microsoft Research : MSといえばSurface, Azure, Windows ... といったなんとなくザックリなイメージかもしれないけど、計算機科学の研究としても一流です。私が興味のある分散システムやデータベース、データセンターネットワークについては長い歴史に裏打ちされた面白い発想のものが山のように出てきます。Googleもそうなんだけど、歴史があって昔のことをしっていると、自分たちが考えたことだから簡単に前提を否定してスクラッチから考え直すことができるみたい。

O'Reilly Japan - Books :: New and Upcoming : ちょっと毛色がかわるけど、技術書ならオライリーということで、Twitterで宣伝されるのではなくここで新刊情報を余計なバイアスやフィルターなしで、いち早くみておくとよい。SNS経由の紹介だとポジティブな宣伝も多いけど、宣伝だけ見ていてもダメなので。

トップカンファレンス

ツイッタばかりみてると有益な情報は少なくて密度は少ないですね。えっあなたのFollowがおかしいって?うっ否定はしない。そこで最新の研究をいち早く追うためにトップカンファレンスを見たほうがよい。今メジャーになって普及しているOSSも、こういったトップカンファレンスで登場したものがOSSだったり、OSSで実装が登場したりする。たとえばHadoopだったりMesosだったり、Kubernetesだったり。TensorflowのもとになたDistBeliefは有名なNIPSが初出だ。

SOSP 2017-Symposium on Operating Systems Principles : SOSPはまあそのタイトルの通りOSの基本的なことに関するカンファレンスだけど、まあ割といろいろ広範かな。UsenixとSIGOPSだったとは(今知った)。西暦奇数年の10月くらいにやる。

NSDI '18 | USENIX : NSDIはネットワーク界で不動のトップカンファレンス。誰が何と言おうと文句なしでトップ。

OSDI '18 | USENIX : SOSPがPrincipleなのに対してOSDIはDesign and Implementationsなのでちょっと実装寄りの話が多い、かもしれない。こちらは偶数年の10月に開催なので、OSに関しては理論と実装がとても近い現代、まあ大体ジャンルはかぶっているといえばかぶっている。

USENIX ATC '18 | USENIX : Usenix ATCはまあ言わば全国大会みたいなもんだろうか。とはいえShort paperではなく6ページくらいは書いてある。

Call for Participation | LADIS 2018 : LADIS は巨大システムの運用技術とかの話題が多い。その流れで有名サイトや有名システムの内容がちょろっと出てきたりするのが面白い(だったような)。

SysML Conference : 初回なのに参加者登録が15分で売り切れて、2nd authorがカンファレンスに参加できなくなってしまうほどの大人気カンファレンス、SysML。同名のソフトウェアと論文がI◯Mから出ていた気がするが細かいことは忘れて…機械学習を支えるシステム技術に関するカンファレンス。あー今年の分みなきゃ。まだみてない。

arxiv.org/cs Computer Science authors/titles recent submissions : カンファレンスやジャーナルよりもいちはやく最新の研究成果が集積されることで有名な Arxiv の計算機科学分野の論文たち。これを全部毎日読んだら最強になれると思う。ただし一日あたり100〜300くらい流れてくる。

arxiv.org/cs.DC Distributed, Parallel, and Cluster Computing authors/titles recent submissions : CS全体だとちょっと多すぎるのと分野が散漫になるので、こちらも見て分散システム関係で見落としがないように気を付けている。

arxiv.org/cs.DB Databases authors/titles recent submissions : いまは見てないけど、Arxivのフィードでデータベースまわりに絞るならこちら。ただ機械学習分野と比べて流量は少ないのでDB技術者はSIGMODやVLDBを追う方にリソースを割いた方がいいだろうなとは思う。

その他(もう解説疲れた、みんな知ってるよね?)

  • ICME
  • EuroSys
  • VLDB
  • SIGMOD

適切な解像度で物事をみるということ

タイトルに書いてしまうと書き終えた気になってしまうのだが…大人として社会に生きる以上は何事にも目をつぶっていくことはできない。ある物事に対して、関わりが少なければボンヤリとした理解でいいだろう。関与が薄い場合は善意も悪意もなく無関心であるからだ。もちろん、例えば児童虐待のように無関心では済まされない問題もあるけれども、◯◯に無関心では済まされないというのは内容や社会のあり方によって変わってくるからだ。これは良し悪しの問題ではなく、単にそれぞれ時代や背景、事情があるということだ。

積極的に関わっていくのであれば高い解像度で対象を理解しなければならない。細部まで理解した上で全体最適になるような問題を定義して解決法を考えるのがよいだけなのだが、それをしないで、曖昧な理解のまま関与を深めていくと大抵事態は悪化する。そういうものは大抵「関与してる俺意識高くてハイアー・マインドかっこいい」といった自意識から生じるものが多く、そもそもそういった目的であれば詳細など不要であるから解像度は低いままで、なんとなくの理解で進んだ方がいろいろ都合がよいことが多い。

高い解像度で理解できるようになって初めて、その視点を再度遠くに戻して解像度をあえて下げることで大局的な理解もさらに進めることができるし、高い解像度に基いた根拠のある状態であえて解像度を低くして抽象的に考えることも重要だ。はー、Convolution2D勉強しなきゃ…