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ラクイラ地震で科学者が逮捕された件@イタリア

最初に報道をみて「ん?」と思ったんだよな。

毎日新聞 イタリア:地震予知失敗で禁錮6年 学者ら7人

多数の犠牲者が出た09年のイタリア中部地震で、大地震の兆候がないと判断し被害拡大につながったとして、過失致死傷罪に問われた同国防災庁付属委員会メンバーの学者ら7人の公判が22日、最大被災地ラクイラの地裁で開かれ、全員に禁錮6年(求刑禁錮4年)の実刑判決が言い渡された。

テレ朝news イタリア地震学者7人に実刑 予知失敗で刑事責任

 3年前、300人以上が死亡したイタリア中部の地震を巡り、地震の予知に失敗し、安全宣言を出したとして地震学者ら7人に禁錮6年の実刑判決が言い渡されました。
 2009年に発生したラクイラ地震の6日前にイタリア政府の防災委員会は、大地震の兆候がないと判断していました。当時、この判断に関わった地震学者ら7人は、事実上の安全宣言により、被害を拡大させたとして過失致死傷罪に問われていました。

地震予知失敗、専門家ら禁錮6年判決…イタリア

【ローマ=末続哲也】300人以上が死亡した2009年4月のイタリア中部ラクイラ震災で、前兆とみられる微震が続いたにもかかわらず住民への適切な警告を怠ったとして、伊政府の防災諮問機関に属した専門家と政府担当者の7人が過失致死罪などに問われた事件で、ラクイラ地裁は22日、7人全員に禁錮6年(求刑・同4年)の実刑判決を言い渡した。
 判決は7人が大地震の危険性を十分に警告しなかった責任を認定する異例の内容となった。地震予知を困難視する科学者団体の反発は必至だ。

いずれもセンセーショナルな見出しに対して記事の中身はそれほど違和感を感じない。地震が来ることは分かっていたのに適切な警告をすることを怠ったから逮捕したというのだ。ぼくはネットで見出しばかり見ていたので一体イタリアはどんなアホなことをしたんだという印象だけが残り結局本文を読むことはなかった。
このページを読むまでは。わたしなりに解釈をすると、正常性バイアスにかられた行政が安全宣言を時期尚早のうちに出してそのあとに地震が来て死者が出てしまったということだ。防災委員会の科学者を集めて討議したがその内容も結論も消極的に無視した。もっと有り体にいうと、地震が来るとみんなが思っていたのに行政がむりくり「安全だ」と言っていざ地震が起きて死者が出たので、その防災委員会の科学者が逮捕されたというわけだ。

これに対して防災委員会トップが辞任によって抗議したというのだからいよいよ雲行きは怪しい。安全性バイアス、狼少年、よきサマリア人の法、そういう単純な問題じゃないし、安全宣言なり待避命令なり出すのは政治家の責任だ。政治家が責任をとるならわかるが、科学者は逮捕されるほどの責任に応じた報酬をもらっていたのだろうか?日本の科学者はもらっているか?

それで何が悲しいかというと、日経新聞の社説が何を言ってるのかよくわからないところ。一般市民の目線とは一体なんなのか。

 判決理由が未公開で詳しい背景はわからない。経緯からみると、政府の防災部局による拙速な「安全宣言」が住民をミスリードし、科学者も説明が舌足らずで行政の判断に科学のお墨付きを与えてしまった可能性がある。
 科学者の言葉がいちいち裁判で責任を問われたのでは、自由な意見の公表や議論を妨げると心配する声がある。それはその通りだ。