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政府が本気になったようです

昨日、IPA経済産業省と国税庁・特許庁を始めとする関係各省庁が合同で記者会見を行い、日本のソフトウェア産業に対する政策を発表した。まず、IPA特許庁ソフトウェア特許がほとんど利益を生まず、むしろ産業にとって有害なものとなっているとの認識から、ソフトウェア特許に関する運用及び法改正に取り組むことを発表。具体的には、ソフトウェア特許を無効化し、アルゴリズムおよびその実装・標準に特許を認可しないことを決定した。これまで国内で認可された特許に関しては有効期間の独占権を認めず、出願中のもの含め特許を全て棄却することとした。これによって、開発者はソフトウェア特許の出願ノルマおよび手続きの煩雑さから開放され、企業は法的リスクを回避する必要がなくなる。これによって、ソフトウェア特許や技術そのものが利益を生んでいるわけではなく、システム構築およびメンテナンス、もしくは内製によるビジネスが利益を生んでいるという現状を追認することとなる。
次に、国税庁はソフトウェアを固定資産として認めないこととし、税務上、資産とせず単なる情報資料とすることとした。これによって、企業はソフトウェア開発費用の計上を全て損益とすることができ、ソフトウェアの価格が人月換算によって決定されることは少なくなることが期待される。企業は売れないソフトウェアに投資したコストを資産として維持するのではなく、よりリスクをとった意欲的なソフトウェア投資および開発を行うことができるようになる。
経済産業省は情報大後悔プロジェクトの中止を決定し、IT企業・ベンチャー企業の法人税の引き下げを国会に求めていく方針だ。これにより、日の丸親方型・大きな政府の産業振興策から、小さな政府の規制緩和型産業振興策へのシフトが期待される。
文部科学省は理数教育の弱体化を問題としてとらえ、教員資格および給与の見直しにとりかかる方針だ。また内閣官房は電力自由化およびさらなる規制緩和によって電力価格の低下をめざす。また同省は、経済産業省および経団連と協力し、新卒一括採用と終身雇用制度の弱体化に向けて全国の大学との取り組みを開始する予定であることを発表した。
最後に"One more thing"として、最も注目すべき発表が行われた。自民党および民主党の有志の議員数名が、ソフトウェア開発の発注において孫請け・曾孫請けを禁止する法案を議員立法で提出する考えであることを提出したことだ。
これには「一時的な対症療法であって、規制緩和を主体とした小さな政府という方針からは外れ、政策として効果が期待できないのではないか」との質問が上がった。スズキKAN議員によれば「これがカンフル剤となって大部分のソフトハウスおよびSIerは内製を余儀なくされ、ITシステムに関して発注元は直接の契約関係にある発注先だけを相手にすることができる。内製を余儀なくされることによって、技術的競争力のない企業が淘汰されていき、人材が流動化することが期待される」との見解を示した。また「懸念材料として、企業が淘汰されると技術者が供給過剰になり、SIer等の買い手市場になってしまい労働環境がさらに悪化する可能性があるのでは」との質問に対し同議員は「ソフトウェア開発の外注に強い法的制約を設けることによって、IT企業は開発者を一定数維持していく必要が生じることにより需要の増加も期待される」と答えた。

思考実験としては面白いと思うんです。まあホントにやったら焼け野原になるのかもしれないと思うとにんともかんとも言えないでござる。