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久しぶりに本を読んだ

のだが。確かになるべくサクッと読める本を選んだのだが。

若者を喰い物にし続ける社会 (新書y)

若者を喰い物にし続ける社会 (新書y)

著者が思いつきを列挙するだけの低俗な煽り本。内容に厚みが感じられず、これでは若者も起てまいと思う。まず、団塊世代以上の高齢者が日本の富と権力を寡占しているということのエビデンスがない。この時点で、イメージと印象で物事を語るテレビ番組と大差がない。イメージに立脚して思い付きを列挙しているだけなので、論旨も何もなく内容に説得力もない。

ただし。いっぱしの若者としその気性だけは買いたい。現時点で高齢者の人口はけっこうな割合になっており、それが選挙に反映されて(主に地方農村で)自民党が勝っていることと思う。で、国内の生産・消費の主力となっている都市部の若年〜壮年の層の支持層はバラバラで、政治的な発言力は比較的弱い。従って年金やら労働制度の設計、貿易政策、税制などがどうしても農村主導のものになり、そのしわ寄せが都市の労働者層にガッツリ当たっている…というイメージだけはそう外れてもいないかもしれない。でもこういった物事を単純化することは非常に危険。別にしてもいいけど。

一方でその情熱と鮮やかなコントラストを描くのが、「10兆円ありゃ何でもできる」というの意味の分からない前提の元に思い付く数々の政策案ネタである。彼自身、アイディアマンを標榜していると文中だか後書きだかで述べているのが更に哀愁を誘う。
例えば「ワープアなくすために、最低賃金を時給1000円にすべきだ」と宣っておられる。んなことしたら600円/hで10人雇ってたところが1000円/hで6人雇うようになって結果として4人の無職を生み出すのがお分かりにならないのだろうか。しかもその仕事、ホントは12人くらいが適当な量の仕事だろうから(つまりは今まで人件費削減で)みんな1.2人分働かされてたところが、これからは2.0人分働かされることになる。そんな超人そうそういねーよ。もっといえば、病欠とかで休む人もいるだろうし、そのときのリスクは1/10と1/6だ。さてさて600円で10人雇うのと、1000円で6人雇うこと、どっちが労使双方にとってハッピーだろか。

こんなのに釣られるヤツもおらへんやろ…と思ってアマゾンの書評を見たら、みんな絶賛気味でびつくりしてしまった。