2.5 Other representations of hyperbolic geometry

一人Road to Reality解読会。ここからちょっと難しくなる。

Esherの絵が我々の直観に反しているように見えるのは、それが双曲線空間のユークリッド表現だからである(Euclidian representation of hyperbolic geometry)。双曲線空間の存在から、平行公準は他の四つの公準からは導けないことがわかる(公準が4つだけだと、その空間は双曲線空間になるということだと思われる)。

双曲線空間のユークリッド表現は他にないか?というわけで、projective modelを紹介する。projective modelでは、ユークリッド空間における直線がそのまま直線として表現される代わりに、直線と直線の角度が変化する。ここでは、2点間の距離は次式のようになる(直線と境界円との交点S, Rについは前回の画像と同じようなものと考えて構わない):
\frac{1}{2} \log \frac{RA \cdot SB}{RB \cdot SA}

で、これ、実はstereographic projectionという。つまり、我々は球の中にいるとして、赤道でまっぷたつに切った平面がユークリッド表現だとする。どのようにして北半球の曲面をこの平面に投影するかで表現が変わってくる。最初のrepresentationだと、カメラが南極にあって、そこに向かって曲面を投影すれば当初のconformal表現になる。また、北半球の曲面を、平面に対して垂直に投影すれば、geographic representationになる。

他にも、双曲線空間をユークリッド平面に投影する方法はさまざまあるが、投影されたユークリッド空間は、双曲線空間を正確には表現していない。双曲線空間はそれ自体が「プラトン的存在」を持っているわけで。後で双曲線空間をもっかいみることになるけど、それが特殊相対論のミンコフスキー時空。

で、双曲線空間に正方形は存在するか?という話に戻る。四つの内角が直角な正方形は存在しないけど、四つの内角が直角よりも小さいものなら存在し得る。正方形の描き方も載ってるが略。

つまり、内角は72度になる。双曲線平面を正方形で充填しようとしたら、ひとつの点に5つの正方形が当たることになる。geographicなとこでもそうなる(図が載っている)。