読了「良い経済学 悪い経済学」

90年代のアメリカにはびこるにわか仕込みの国際経済学"POP INTERNATIONALISM"による迷妄を啓蒙しようという経済学者ポール・クルーグマン博士の一冊。アメリカで売れた何冊かの本や、政治家・財界人の発言から、経済学の常識と世間の常識があまりに乖離していることに危機感を抱いた博士が一念発起して様々なところでこなした論文や講演を掲載したもの。いわゆる「エコノミスト」にハンドアックスを投げる一冊になっており、経済学が分かったつもりになっている人や、経済学のけの字も分からないけど興味ある人のためになる。「経済学者に騙されないために経済学を学ぶ」ことの入門書にもなる。(続く)

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)

資本で資本を洗う過酷な経済競争の時代がやってくるのはデマ

貿易による発展途上国の経済発展が先進国の労働市場にとって脅威であるというのはデマ

アジアが「奇跡の成長」を成し遂げたというのはデマ