自動化について

1950年代から一貫して続く人口知能や音声分析などの研究において決定的なアプリケーションが登場しないのは、それが人間の本質に決定的に関わっているからなのだろう。

なぜなら、二つの技術はいずれも周辺分野においてイノベーションをもたらしているからだ。それが実現できた理由はひとえに人間の本質的行為ではないからである。つまり、誰でもできることは機械にもできる。(言葉を話すことは誰でもできるが、彼自身の言葉を生成することは他人にはできない。機械は機械自身の言葉を生成することはできない。)
これは技術屋にも言えることで、核となる技術を自分だけが把握している者が競争力を持つ。そうでない者は下請けやIT土肩になる。林檎社やゲイツ社や検索ペイジ社やその他ドミナントな連中は皆そうした自動化できないものを持っている。自動化できるものに価値はないのだ。逆に、原理的に自動化できないことについては、その価値が下がることは永久にない。というわけで、次クールのテーマは「原理的に自動化できないものは存在するか?」です。