組織の発展段階におけるトレードオフの移行

なんか昔の下書きが放置してあったので、頑張らないでなんか形にしてみよう。

初期:人が少ない

1〜4人
スピード重要
分業なし
自分から仕事を見つけられる人
組織の目標、レゾンデートルをビジネスモデルと一緒に構築していく

中期:人はまだ少ない

5〜20人
発展段階
ある程度の分業役割分担が必要
自分から仕事を見つけられる人
ビジネスモデルはある程度確立される

中長期:人は足りない

20人〜
中期ほどの速度ではないが発展
役割分担が明確になってくる
あまり話したことない同僚がいる状態
上司・部下の関係が登場
 →自分から仕事を見つけられる&上司による役割分担のマネジメント
マネジメントの間で息が合っていればうまく動く

成熟期:トータルでは人は余るが局所的には人は足りない

数百人〜?
完璧な役割分担
20%のエース
60%の中堅層
20%の遊び層
マネジメントも多様化してくるので、組織の目標がかなり明確でないとダイナミクスを維持できない
(明確でない目標であっても、実力以上の利益があると組織を維持できる)
80%の人間のベクトルが揃う(=明確な目標)と、かなりのスピードとパワーを発揮する

各段階に共通するトレードオフ:

  • 画一性 vs 多様性: あまりに画一性が強くて似たものばかりになると外の世界に関心が向かなくなり、自分たちの論理だけで動くようになる。似たもの同士なので、組織トータルでの馬力は非常に強くなりマネジメントのコストは非常に低いが、外界の変化に対応できにくくなる。ある程度の多様性があると組織としてのまとまりを維持する難易度が高いが、多彩なアイディアが出たり外界の変化に対応しやすい。
  • 役割分担なし vs 役割分担と管理: これは全体把握と詳細特化のトレードオフと言い換えてもいい。分業の度合いが低いと、メンバーの流動性が強くリソースの集中投下がしやすくなる。反面、専門的な事柄に弱くなりがち。分業の度合いが高いと、専門性から生まれる競争力を得られる可能性がある。また、分業すると往々にして情報共有と管理が必要になる。
  • 投資+赤字 vs 自己資金+黒字: 前者は高速なブートストラップを期待できる反面、市場がないところに誤ってブートストラップしてしまうような、フィードバックによる方向修正がしにくい。ターボエンジンを積んでグラベルを走るようなものだ。一方、後者はブートストラップは遅いが確実な進歩、方向修正をしやすい(外界からの干渉や注目も少ないだろう)。一方で自転車操業に陥るリスクもある。

中長期が、ベンチャー企業の死の谷といわれるところで、このトレードオフが揺れているところだからバランス舵取りを間違えると即死する。